朝ドラヒロイン、次回作は正反対の役が多い? 黒島結菜の『クロサギ』での飛躍に期待

 2021年の『おかえりモネ』ヒロイン・清原果耶は、その約3カ月後に放送の『ファイトソング』(TBS系)で主演を務めた。先述の有村や永野の朝ドラヒロイン像とは異なり、どちらかと言えば大人しい、何事にも奥手のイメージのある百音を演じていた彼女は、『ファイトソング』でも不器用な恋路を歩んでいく。ただ、根にあるのは勝ち気なスポ根魂。そのイメージは明るく、笑顔の清原である。

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 彼女に関して特筆しておかなければならないのは、『おかえりモネ』オンエア中にも『夏への扉 ―キミのいる未来へ―』と『護られなかった者たちへ』という2作の映画が公開されていたこと。中でも後者は清原が第45回日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞をはじめ、様々な映画賞を総なめにした彼女の代表作の一つである。『おかえりモネ』と同じ宮城県を舞台にした作品で息を呑む、シビアな演技を見せる清原に、その底の知れない俳優としてのポテンシャルを強く感じさせた。

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 この10月には『カムカムエヴリバディ』でヒロインの一人を演じた川栄李奈が、『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系)で再びヒロインを演じる。『カムカム』以来、およそ半年ぶり。川栄は公式のコメントで「その間にドラマや映画などの長い作品は入っていなかった」と明かしており、朝ドラを経ての満を持しての役と言えるだろう。川栄が演じるのは、自己肯定感が低く現実を直視せずに生きてきた、半グレ集団が運営するデートクラブで働く女性。『カムカム』で演じた明るく、ハツラツとしたひなたの印象とは、異なるキャラクターだ。

 こうして近年の歴代の朝ドラヒロインを演じた有村、永野、清原、川栄の経歴を振り返っていくと、そのほとんどの場合が朝ドラのイメージとは正反対とも言えるキャラクターを演じていることが分かる。今回、黒島が演じる『クロサギ』での役は、検事になる夢を持つ、努力家で正義感が強い女子大学生。言ってみれば自由奔放で、向こう見ずな『ちむどんどん』の暢子とはまた一線を画す役とも捉えることができ、何よりすでに公開となっている予告動画での黒島のナレーションが彼女の明るいイメージを一新している。黒島も朝ドラヒロインというキャリアを下地にして、これからさらなる俳優像を深めていくことになるはずだ。

■番組概要
金曜ドラマ『クロサギ』
TBS系にて、10月スタート 毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:平野紫耀(King & Prince)、黒島結菜
原作:黒丸、夏原武(原案)『クロサギ』シリーズ(小学館刊)
脚本:篠﨑絵里子
プロデューサー:武田梓、那須田淳
演出:田中健太、石井康晴、平野俊一
製作著作:TBS
©︎TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kurosagi_tbs/

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