変化し続ける国民的コンテンツ“朝ドラ”

『ネットと朝ドラ』刊行記念

特集:変化し続ける国民的コンテンツ“朝ドラ” 
『ひよっこ』から『ちむどんどん』まで

 テレビドラマの視聴者数は、配信サイトなどの興隆にともない、リアルタイムの視聴率だけでは測れない時代となった。それにもかかわらず、毎作15%以上の驚異的とも言える数字を叩き出しているのが、“朝ドラ“こと、NHK連続テレビ小説だ。週5日(6日)毎日15分放送されるコンテンツは世界的にみても例を見ない。
 そんな朝ドラの作劇も、時代ごとに少しずつ変化していきている。その中でも大きな変化のきっかけとなったのが、2017年に放送された『ひよっこ』だ。“何もしない“ヒロインの物語は、それまでの朝ドラの定石を覆し、多くの視聴者を魅了した。それと同時にこの頃から大きなうねりを帯び始めたのが、SNSによる実況だ。視聴者のSNS実況、Web媒体の記事、朝ドラはネットと交わりながらさらなる変化を見せていく。
 9月12日に刊行される木俣冬著『ネットと朝ドラ』は、『ひよっこ』から『カムカムエヴリバディ』まで、関係者へのインタビューを交えながら、朝ドラに起きた変化に迫る評論本となる。
 本特集では、『ネットと朝ドラ』に再録したリアルサウンド映画部の記事から、ドラマ評論家・成馬零一と著者・木俣冬の特別対談を掲載していく。