『テッパチ!』『教場』など“訓練生ドラマ”が描く大人の青春 “共感性”がポイントに?
「青春」と聞くと、どんな場面を思い出すだろうか。部活で、甲子園のような大きな大会を目指して仲間と切磋琢磨した熱い日々や気になるあの人をつい目で追っていた甘酸っぱい瞬間など、シチュエーションはたくさんあるだろうが、多くの人は学生時代を思い浮かべるのではないかと思う。
これまでヒットしたドラマでもそんな青春時代を描いたものがたくさんある。ダサくて、いじめられっ子な野ブタこと小谷信子(堀北真希)を桐谷修二(亀梨和也)と草野彰(山下智久)がプロデュースし、次第に唯一無二の友情を育んでいく『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)や二子玉川学園高校の教師・川藤幸一(佐藤隆太)が不良の溜まり場と化した野球部を再建し、部員たちと衝突を重ねながら甲子園を目指す『ROOKIES』(TBS系)が代表的だろう。これらのドラマのキャラクターたちは、彼らと同世代だった中高生たちの憧れとなったり、同じように鬱屈した思いを抱えていた人たちの救いとなったりしていたに違いない。
では、ある年齢を越えて“大人”になったら、もしくは働き始めて、“大人”と言われるようになったら、青春はおわってしまうのだろうか。
きっとそんなことはない。大人だからこその「青春」もある。そう感じさせてくれるのが現在放送中の陸上自衛隊候補生たちの成長を描いたドラマ『テッパチ!』(フジテレビ系)だ。夢やなりたいものもなく、工事現場で働いていた国生宙(町田啓太)は、ひょんなことから八女(北村一輝)に誘われ、陸上自衛隊候補生になる。同じく候補生となったのは、自衛隊の音楽隊に憧れ脱サラした馬場(佐野勇斗)や自衛隊一家の末っ子である西(藤岡真威人)など、自衛隊に入りたい理由も、それまでの経験も全く異なる7人だった。
この『テッパチ!』のほかにも、警察学校の教室、教場で展開される教官・風間公親(木村拓哉)を中心とした重厚な人間ドラマが見どころとなった『教場』(フジテレビ系)や、過去には正義感、使命感に燃える天真爛漫な新人消防士・朝比奈大吾(山田孝之)が一人前となっていく『FIRE BOYS 〜め組の大吾〜』(フジテレビ系)など、訓練生を描いたドラマは以前から作られ続けている。