『ちむどんどん』円城寺あや、真面目でコミカルな演技が魅力に 波子さんの絶対的な安定感

『ちむどんどん』波子さん役円成寺あやの魅力

 暢子(黒島結菜)の沖縄料理店「ちむどんどん」が遂にオープンした『ちむどんどん』(NHK総合)。そこに和彦(宮沢氷魚)の母・重子(鈴木保奈美)と青柳家のお手伝いさん・波子(円城寺あや)が訪れる。

 かつて暢子と和彦の結婚に反対していた重子に、少しでも自身のことをわかってもらおうと、お手製の沖縄料理を詰めたお弁当を毎日届けていた暢子。最初は一切そのお弁当に箸を付けなかった重子に代わり、お弁当は波子の胃袋に入っていたわけだが、初めて一口食べた時に目を見張り感心していたのがとても小気味良くコミカルだった。

 重子のプライドの高さや気性の荒いところも重々承知した上で、一歩引いてコミュニケーションが取れるバランサーで、暢子のことも割と早い段階から影ながら応援してくれていた波子。波子さんの“話のわかりそうな人”感と絶対的な安定感が凄まじく、登場シーンを毎回楽しみにしていた。大河ドラマ『真田丸』(NHK総合)でも寧(鈴木京香)の侍女・わくさ役として、同じように長きに渡って豊臣家に仕える縁の下の力持ちを務めた。

 波子役を演じる円城寺は、『エール』(NHK総合)に続き本作が朝ドラ出演2作目。『エール』では戦時中、音(二階堂ふみ)が所属する音楽挺身隊の顧問で堅物の神林康子役を熱演。音による慰問先で歌う選曲に対して「音楽は軍需品で、戦争に役立たない音楽など要らない」と切り捨てていたのが印象深い。「その音楽を聞いて、何をどう思うかは人それぞれです」と反論する音に、険しい表情で「お帰りなさい! 挺身隊に非国民は必要ありません」と言い捨てる康子の頑なさと容赦なさに、戦争が奪い去るものの大きさがまざまざと浮き彫りになっていた。

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