『ちむどんどん』円城寺あや、真面目でコミカルな演技が魅力に 波子さんの絶対的な安定感
そして、何と言ってもいまだにインパクトが強いのは、1998年に放送された『GTO』(フジテレビ系)で好演した国語科教師の小谷宏子役だろう。ヒステリックかつ嫌味な性格で、主人公の鬼塚(反町隆史)や冬月(松嶋菜々子)に対しても陰湿な嫌がらせを繰り返していたが、常に小物感が滲み出るのが滑稽な役どころだった。本人は至って真剣だけれど、はたから見るとクスリと笑わせてくれるような人物造形が円城寺のお芝居の魅力と言えるだろう。
『ちむどんどん』でも、波子が何かと暴走気味で極端な重子を温かく見守りながら中和させている。重子の手に負えなさと、そこから滲み出る人間臭さや魅力が波子目線から切り取られ、波子の前でだけ見せる重子の姿が差し込まれることで随分と重子の印象が変わったようにも思える。
最初から暢子の沖縄料理の虜になっていた、いわば暢子の料理ファンである波子が「ちむどんどん」を訪れ、どんな感想を抱くのか楽しみだ。
■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK