パク・ウンビン×カン・テオ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』 ハートフルドラマ圧巻の最終回

 第1話のタイトルバックでは、壁紙にたくさんのクジラやイルカ等の鯨類の中で、下の方に小さなシロイルカの中の“イッカク”がいる。第16話のタイトルバックではこのイッカクがほかのクジラやイルカやシャチたちと共に泳いでいる。ヨンウは自分を迷子のイッカクにそっくりだと言う。「みんなと違うからなかなか溶け込めない。嫌われることも多い。それでも平気です。これが私の人生だから」「風変りだけど価値があって美しい」ヨンウが言ったことの言葉が、本作の脚本家ムン・ジウォンが映画『無垢なる証人』(2019年)から一貫して伝える“人はみんな違う”ということだ。それぞれの人の人生はすべて価値があり素晴らしく、美しいのだ。

 第1話と第16話の物語の始まりと終わりの描き方がファンタスティックだ。初出勤の日の電車内のヨンウと、「ハンバダで働くのが好き」と言い正規の弁護士となり達成感を味わい出勤するヨンウの対比だ。仕草、表情、心象風景が違うのだ。ヨンウの顔はオドオドしたものから、自信に溢れた輝くものとなり、空を泳ぐクジラにも仲間も恋人もいる。ヨンウは目覚ましい成長を遂げた。

 本作は、演者、脚本、演出すべてが光彩を放ち世界を魅了した。期待されるシーズン2の制作について、制作会社は2024年放送を希望していると明かした。(※)『ウ・ヨンウ』側はまだ議論中だが、脚本家のムン・ジウォンとユ・インシク監督はシーズン2の制作に意欲的な姿勢を見せている。さらにパワーアップした姿のウ・ヨンウに会えるのを待ち望んでいる。

参考

※ http://osen.mt.co.kr/article/G1111920715

■配信情報
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
Netflixにて配信中
(写真はENA公式Instagramより)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「海外ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる