『初恋の悪魔』満島ひかり演じるリサと過ごした“もう一人の”摘木 さらに怪しくなった雪松

『初恋の悪魔』さらに怪しくなった伊藤英明

 朝陽(毎熊克哉)のスマホを持って馬淵(仲野太賀)の前から姿を消した摘木(松岡茉優)は、東京で別の人格が表出している状態で偶然にも鹿浜(林遣都)と出会う。8月20日に放送された『初恋の悪魔』(日本テレビ系)第6話は、ふたつのミステリーの扉が開く。ひとつ目は森園(安田顕)が鹿浜と小鳥(柄本佑)に話す5年前の中学生殺害事件。そしてもうひとつは、摘木星砂の過去に何があったのか、ということだ。

 突然戻ってきた摘木に、“もう一人の人格”について訊ねる馬淵。初めてそれが出てきた時の話を聞き手掛かりを求めて東京へ向かった2人は、そこでリサ(満島ひかり)という女性の存在を知るのだが、摘木は思い出すことができない。そんななか、馬淵の部屋で突然もう一人の人格が出てしまった摘木は、こっそり抜け出して鹿浜の家へと向かう。そこで彼女は鹿浜にリサと過ごした日々のことを語り始めるのだ。そして鹿浜は、リサが3年前に犯した事件と、森園が心残りだと語っていた5年前の事件との共通点に気が付くのである。

 今回もまたかなりの情報量が飛び交うエピソードとなっただけに、綺麗に整理するのは少々難しい。森園が話した5年前(2017年)の中学生殺害事件に関しては「人を殺す人間と殺さない人間の間に境界線はない」という鹿浜の言葉と、当時逮捕されたホームレス以外に真犯人がいると鹿浜も確信していること、そして遺体発見現場である川が雪松(伊藤英明)の家の近所であること。そして雪松は(第5話のラストで森園と再会した時に引き続き)その事件について知らぬふりをしているような素振りを見せたことだけは記憶しておきたい。

 摘木の過去については、時系列に気になる点が多い。まず馬淵から「最初にこういうこと(別の人格が出ること)があったのは?」と聞かれた“普段の”摘木は、「15歳の時」だと語る。対して鹿浜の家でリサとのことを話す“もう一人の”摘木は「16歳だった」と説明する。両方の話を聞き比べてみると、どちらが本来の人格なのかわからなくなるが(かろうじて“普段の”方にはおばあちゃんが亡くなったという家出以前の記憶があるわけだが、“もう一人の”方にも家出をしたという感覚はあるようだ)、とりあえずは“もう一人の”方が“もう一人の”人格であると仮置きしておこう。

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