『ちむどんどん』賢秀は今までの失敗から学べるか? “ビッグなビジネス”の歴史を振り返る

『ちむどんどん』賢秀のビジネスの歴史

 『ちむどんどん』(NHK総合)第19週「愛と旅立ちのモーウイ」では、暢子(黒島結菜)と和彦(宮沢氷魚)の新婚生活が始まる裏で、賢秀(竜星涼)が我那覇(田久保宗稔)と再会し新たなビジネスに誘われる。再三にわたり新たな事業、職種に手を出しては騙され、時には現実逃避してきた結果、比嘉家に多大なる迷惑をかけてきている賢秀。本記事では賢秀がこれまでどのようなビジネスに携わってきたのかを振り返っていきたい。

 全ては、沖縄のサンセットバーガーで賢秀が我那覇から声をかけられるところから始まる。店のマスター(川田広樹)が言うには、我那覇は金融機関の仕事をしている実業家。「これからはドカーンと儲ける時代さ」「いい面構えだな。大物になる顔だ。一杯おごらせてくれ」と賢秀の懐にスッと入りこみ、特別レートで円とドルを交換できるという投資話を持ちかけてくるのだ。前科者の詐欺師である我那覇は、話術のプロ。言葉巧みに賢秀の心を誘導し、比嘉家にとってなけなしの960ドルを騙し取ってしまう。そのことに気づき絶望した賢秀はサンセットバーガーで大暴れ。器物損壊による弁償に加え、愛弟子のライブを台無しにされた下地(片桐はいり)に訴えられたりと、さらなる被害を生んでいった。

 責任を感じた賢秀は「部(倍)にして返す!」という置き手紙を残し比嘉家を出ていく。なんと賢秀は東京でプロボクサーになり、衝撃のKOデビューを飾った沖縄の一番星に。ファイトマネーの60万円(約1666ドル)で比嘉家は借金を返済。一攫千金を手にすることができた……と思われたが、上京した暢子がボクシングジムを訪ねると、賢秀の姿はそこにはあらず。デビュー戦で勝てたのは相手が腹痛だったから。2戦目で賢秀は敵前逃亡し、比嘉家への送金もジムの面々に泣きついて借りまくっていた金だった。

 そこから賢秀は千葉にある猪野養豚場に辿り着く。子供の頃に豚の世話をしていたことがここで生きてくるのだ。しかし、賢秀の目的はあくまでビッグなビジネスを仕掛けて星を掴むこと。豚の世話をするために沖縄から出てきたわけじゃないと、賢秀は養豚場から前借りした給料で次のビジネスに目をつける。

 そんな折に、賢秀は東京で我那覇と再会。花の都パリ、ロンドン、ニューヨークでも大評判だというなんとも胡散臭い健康食品「紅茶豆腐」を商材に我那覇と手を組み、紅茶豆腐を路上販売し始める。暢子の高校の料理大会で見事な啖呵売を披露していた賢秀とサクラとしてありもしない評判を告げる我那覇の相性は抜群。しかし、徐々に客にも相手にされなくなり、大量に余った在庫を捌き切れるのかを賢秀も懸念視し始めていた。ここで賢秀に見切りをつけた我那覇は「ガナハビジネス」株式会社の設立とその副社長に賢秀を迎え入れること、在庫一層のためにテレビコマーシャルを打とうとしているが制作費が不足していると、またしても賢秀から金を騙し取り、姿をくらます。

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