『コンジアム』『新感染』など Netflixで観られる夏を涼しむ韓国ホラー映画4選

Netflixで観られる韓国ホラー4選

 ゾワっと鳥肌が立つ場面や手に汗を握るヒヤヒヤする展開にいつの間にか息が浅くなり、のめり込んでしまうホラー作品。怖い怖いと言いながら見てしまうのも醍醐味である。とりわけ暑い今年の夏を、韓国産ホラー映画で涼んでみるのはいかがだろうか。

『ザ・コール』(2020年)

『ザ・コール』

 『ザ・コール』は、1999年と2019年の時代に生きる2人の女性が1本の電話で繋がることから物語が始まる。幼い頃に大好きだった父を火事で亡くし、原因を作った母親とは不和が続いていたが、入院したと聞いて実家に帰ってきたソヨン(パク・シネ)。家にある古い固定電話に何度もかけてくるヨンスク(チョン・ジョンソ)と名乗る女性と話すうちに、28歳の同年代で20年前の同じ家に住んでいることが判明。次第に親しくなるが、ヨンスクが“あること”を提案してから二人の運命が大きく変わってしまう。

 豹変していくヨンスクの姿が震え上がるほどに怖い。頭の上から爪の先までも演じているのではと思われる凄まじい演技は恐怖が何倍にもなる。映画『バーニング 劇場版』(2018年)に続く2作目の映画出演だとはとても信じがたい。本作でのチョン・ジョンソの怪演ぶりは、第57回百想芸術大賞の映画部門の女性最優秀演技賞を受賞している。ヒロイン役で人気を博してきたパク・シネも新境地となるスリラーに挑戦している。時間軸が次々と変わるスピード感ある後半戦は、二人の戦いについていくだけでも精一杯。どちらに軍配が上がるのか、気の抜けない展開から目が離せない。

『ザ・コール』

『ドアロック』(2018年)

『ドアロック』(c)2018, MegaboxJoongAng PLUS M & Studio Pieona, ALL RIGHTS RESERVED

 一人暮らしをする中で、こんな経験はないだろうか。例えば帰宅したらリビングの電気が点いている。消し忘れだとわかっていても、念のため寝室やクローゼットの中を確認してしまう。現実に起こりうる怖さがリアルに映し出されている作品が『ドアロック』だ。 

 本作は、都会にある古びたマンションに一人暮らしをする女性に、じわじわと迫る恐怖を描いたサスペンス映画。韓国では暗証番号でドアロックの開閉をするオートロック電子錠が主流。鍵を紛失したなどの心配もなく便利なツールだと思われるが、このツールによって事件に巻き込まれ、恐怖のどん底に落とされることになる。主人公のチョ・ギョンミン(コン・ヒョジン)は銀行に務める平凡な会社員。ある朝の出勤前、ドアロックに白い粉のような不審な痕跡を見つける。カバーが上がったままのドアロック、ドアの前に散らかったタバコの吸い殻、その後、本人しか知らない暗証番号が入力され誰かがガチャガチャとドアを強引に開けようとするなど、立て続けに起きる異変に限界を迎え警察に相談するも応じてもらえず......。

『ドアロック』(c)2018, MegaboxJoongAng PLUS M & Studio Pieona, ALL RIGHTS RESERVED

 ラブコメの女王と呼ばれるコン・ヒョジンの明るさは本作には一切なし。常に不安に襲われているせいか細くなった声は視聴者をより集中させ、荒くなっていく息遣いや怯える表情は息の詰まるような緊張感を演出している。何より怖いものは人間なのだと思い知らされるラストになっている。

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