『NICE FLIGHT!』が描く30代の恋のリアル 玉森裕太と中村アンが体現するピュアな恋模様
30代の恋は、そう簡単には進まない。恋愛に大きなパワーを注げていた学生時代とは違い、考えなければならない要素が増えてくるからだ。仕事で責任ある立場になる人が多く、“将来”が現実味を帯びてくる30代。恋愛に夢中になってしまうと、仕事がおろそかになるのではないか……と不安を抱えている人もいるだろう。“結婚相手を探さなきゃ”と思うあまりに、気楽に恋ができなくなった人もいるかもしれない。『NICE FLIGHT!』(テレビ朝日系)第4話では、そんな30代の恋のリアルが描かれた。
まず、粋(玉森裕太)と真夢(中村アン)は、まるで10代のようにピュアな恋模様を展開していく。お互いに想い合っているのは明白なのに、いまいち発展しない2人の距離。その理由は、やはり真夢の不器用さにあると思う。
真夢は、「好きな人の前では、思ったこととは、逆の行動をしてしまう子もいる」と言っていた。たしかに、照れくさくて素直になれないこともあるだろう。しかし、真夢の粋に対する態度は、かなり冷たい。「一緒に飛んでくれて、ありがとう」と管制のお礼を言われても、「いえ、仕事ですから」とあしらうような態度を取ってしまう。これでは、相手に脈なしと思われてしまっても仕方がない。真夢は、ポーカーフェイスがうますぎるのだ。家に帰ってドキドキしていた彼女の姿を、ぜひ粋にも見せてあげたい。
一方の粋も、真夢に気を遣いすぎているのか、思い切ったアプローチができずにいる。「男性は、壁ドンでも不意打ちキスでも、突然なんでもやればいいと思っているのかもしれませんが、それはあくまでも“好きな人から”というのがポイントです」という真夢の言葉が、胸に刺さってしまったのだろうか。男性にナンパされて困っている真夢を助けてあげた時も、「この人、俺のなんで、よそ行ってもらえます?」とギャップを見せつけたのはいいが、すぐさま手を離して、「彼氏ヅラしてしまってすみません!」と“ワンコ”に戻ってしまうのだ。
ただ、粋と真夢の間に流れる空気感は、どんどん良いものに変わっていっている気もする。お互いの様子をうかがいながらではあるが、水鳥を眺めながら手をつないだ時の2人は、すごく自然なカップルに見えた。大人だからといって、猛スピードで恋が発展していくわけではない。じっくりと燃え上がっていくのが、2人らしくて素敵だ。