『ユニコーンに乗って』西島秀俊演じる“シゴデキ”小鳥が大活躍 切ない佐奈と功の関係性

『ユニコーンに乗って』シゴデキ小鳥が活躍

 もう1つが、佐奈の母・美佳子(奥貫薫)との関係性だ。母親がスーパーのレジ打ちのパートをクビになってしまったことを妹・依里(武山瑠香)から聞かされ援助を申し出るも、母親は一切の支援を受けようとしない。その母親の姿が佐奈には“自分の仕事を信用してくれていない”、“同じく自分で起業し失敗した父親の二の舞になると思っている”というふうに映ってしまうのだ。

 ここで小鳥が思いつく名案がまた素晴らしい。オフィスに社員の家族を招待し、実際の職場の雰囲気に触れてもらい、社員の仕事姿を見てもらおうという「ファミリーデー」の開催だ。羽田が示唆した「チームビルディング」の重要性になぞらえて、「メンバーがお互いの家族について知ることで、今後予期せぬトラブルがあった時にもフォローし合える」という社員側、会社側にとってのメリットをセットして語ることで、佐奈の家庭問題に限定せず彼女に気を使わせない形での導入に漕ぎ着けるのも流石の“シゴデキ小鳥”だ。パートの面接で結局ファミリーデーに参加できないという美佳子のために、イベントの様子、その中での佐奈の様子を動画に収め、依里を通して届けてもらう咄嗟の機転の良さも相変わらず光っている。小鳥のナイスファインプレーによって、美佳子も働き口を見つけるのを手伝ってほしいと、初めて佐奈を頼ることができていた。

 しかし、羽田が示唆していた「成功の後にピンチがやって来るもの。そのとき耐えられるかは組織の地盤がしっかりしているか」が試される本当のときがやってきた。「スタディーポニーキャンパス」の技術特許申請が一足先に出願されていたことがわかる。またしても永瀬率いるゲームアカデミアの仕業だったが、ビジコンの選考前に彼が海斗(坂東龍汰)に接近していたのが気になる。そういえば、功のPCから何かデータを転送するかのような海斗の動きも見られた。さあ、このピンチをドリポニはどう乗り越えるのか。きっと女性起業家の大先輩・羽田にも同じような経験があるはずだ。雨降って地固まるとなるか。今こそ、真の団結力、真のチームビルディングを見せつけるときだ。

■放送情報
『ユニコーンに乗って』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:永野芽郁、西島秀俊、杉野遥亮、坂東龍汰、前原滉、石川恋、青山テルマ、山口貴也、武山瑠香、広末涼子
脚本:大北はるか
プロデュース:松本友香、岩崎愛奈
演出:青山貴洋、棚澤孝義、泉正英
編成:青木伸介、森岡梢
撮影:加藤春日
主題歌:DISH//「しわくちゃな雲を抱いて」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
音楽:青木沙也果
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/unicorn_ni_notte_tbs/
公式Twitter:@unicorn_tbs
公式Instagram:@unicorn_tbs
公式TikTok:@unicorn_tbs

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