『六本木クラス』原作の区切りをつなげた見事な構成 復讐の大きなターニングポイント回に
竹内涼真が主演を務めるドラマ『六本木クラス』(テレビ朝日系)第5話は、番組の公式Twitterがツイートしているように、いつにも増して名場面が多い回である。
その中でもこの第5話を象徴するのは、新(竹内涼真)が店長を務める居酒屋「二代目みやべ」に憎き敵・茂(香川照之)が来店してくるシーンになるだろう。「腹が減ったな」のセリフを合図に、茂は息子の龍河(早乙女太一)と優香(新木優子)という長屋ホールディングス陣でみやべに乗り込んでくる。
茂の目的は、みやべ自慢のから揚げの味見(オリジナル『梨泰院クラス』ではスンドゥブチゲ)。そして、新がなぜ長屋の株を大量に保有しているかの追求である。
この第5話で明らかになるのは新が莫大な長屋の株を保有していたこと。8年前、龍河が起こした不祥事により株価が暴落していた長屋の株を、父・信二(光石研)の保険金を全て投資していたのだ。さらに、自分と長屋の間で板挟みに遭う優香を思い、復讐の炎が再燃。新たに5億を追加投資し、合計8億もの株主となったことで、ついに茂の耳に入り、会長自らみやべへと足を運ぶこととなったわけだ。
茂は味や内装から「君を敵と見なさない」と見下し、自分が強い虎、よく吠える新を弱い犬だと対立関係を例えて見せる。しかし、その裏では新のミッションが着々とコンプリートに向けて動いていた。
この回から新の仲間として本格参戦するのが、桐野雄大(矢本悠馬)と相川京子(稲森いずみ)。桐野は学生時代、龍河から執拗ないじめを受けていたところを新に助けられた同級生。相川は長屋の専務であり、会社の大株主だ。ファンドマネージャーとしての素質を持ち復讐の念を燃やす桐野と新は手を組んだ。そして、長屋の次期会長になり得る相川と契約を交わした。茂の勘に信頼を寄せている相川が提示したミッションが「あなたの店で会長が食事をすること」。相川が言っていた「会長にとって、みやべが気になる存在」に実質なっているということである。