『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』カン・テオが仕掛ける恋 人気急上昇でTwitterトレンド入りも

 一方のジュノは、チェ・スヨン(ハ・ユンギョン)から、ヨンウに中途半端な気持ちで近づくなと忠告を受けていた。ヨンウと居ることは、最初は面白いがどんどん疲れてくるといわれるジュノ。しかしジュノは、ヨンウから恋心があるか確かめたいといわれ、彼女が近づいてきたときに、自分からヨンウとの距離をつめる。ヨンウに恋を仕掛けていくジュノの眼差しと足の運びは、これまでの優しいジュノの瞳から“男”の目になり、胸キュン必至だ。

 ヨンウと両親との関係も大きく変化を見せた。社会で偏見と差別を受けるヨンウを守ろうと彼女の就職に手を貸したウ・グァンホ(チョン・ペス)に対し、ヨンウは「ちゃんと挫折したかった」という。わが子可愛さにレールを先に敷き、危ないものから守ろうとする親心は、ときに子どもの自尊心を傷つける。挫折も本人のものなのだ。ヨンウの「ちゃんと挫折したかった」という想いは大人として一人で生きていこうと、もがく姿の現れだ。

 また、母スミとヨンウの過去も明かされた。母娘であることが互いにわかる場面では、娘だと告げられた時のスミが驚愕する表情変化の演技が素晴らしい。僅かな時間ながら驚愕から衝撃、苦悩、自分をどう思っているのかと変化していく様は圧巻だ。自分を恨んでいるかとスミから問われたとき、ヨンウが溢れる涙を目に浮かべ「一緒に木を眺めたとき、楽しかったです」と答えるところは涙を誘われる。

 第7話、第8話では今、世界で問題となっている“分断”も取り上げた。第8話冒頭で、分断を表す演出として、ヨンウの好きなくじらをモチーフにしてみせている。同じ鯨類である、スナメリとシャチをカラーコーンで分断させている。本作のテーマである、“分断ではなく、違いを認め、多様性を受容する”ということを世界に広げていくことで、ひとりひとりが生きやすい優しい世界に変化していくだろう。ヨンウがくじらの違いを述べるように、わたしたちもひとりひとりの違いを許せる優しい社会を作っていきたいと思わせてくれる作品だ。

■配信情報
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
Netflixにて配信中
(写真はENA公式Instagramより)

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