『新・信長公記』King & Prince 永瀬廉の新たな魅力が開花 陰寄りの役柄で映える“瞳”の演技

『新・信長公記』で永瀬廉が見せた瞳の演技力

 これは、永瀬廉(King & Prince)の新たな魅力に出会えそうだ。7月24日スタートのドラマ『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』(読売テレビ・日本テレビ系/以下『新・信長公記』)の第1話を観て、そう確信した。

 永瀬にとって、民放GP帯連続ドラマ初主演となる本作は、甲斐谷忍による漫画を原作とした学園天下獲りエンターテインメント。信長に家康に秀吉……名だたる戦国武将たちが一斉に生まれたら、誰がいちばん強いのか? 戦国武将のクローン高校生たちが、学園の天下統一を目指して出陣する。西畑大吾(なにわ男子)や萩原利久などの若手から、三浦翔平、濱田岳、小澤征悦まで。幅広い世代の俳優陣が“15歳の高校生”を演じるのも、見どころのひとつだ。

 本作の舞台となるのは、2122年。しかも、戦国武将のクローン高校生たちが同じ学校に入学するとなると、非現実感は否めない。そこで、“視聴者側”の立ち位置を担っているのが、歴史オタクの日下部みやび(山田杏奈)だ。銀杏高校の特進クラスのなかで、唯一クローン人間ではない彼女は、「織田信長……とな?」「もしかして、豊臣秀吉?」と彼らに対していちいちオーバーリアクションを見せる。クラスの紅一点かつ学級委員長のみやびは、“正統派ヒロイン”としての要素が求められるが、山田の正義感溢れる強い目力がキャラクターの魅力を存分に引き出していた。

 ただ、戦国武将のクローンたちが集結したクラスは、まとまりが皆無。上杉謙信(犬飼貴丈)、武田信玄(満島真之介)、伊達政宗(三浦翔平)……戦国の世を生き抜いてきた彼らは、何かが起きるとすぐに戦に持ち込もうとする。

 そこで、理事長・別府ノ守与太郎(柄本明)が提案したのが、学園でいちばん強い人を決める“旗印戦”。倒したい相手を記入した旗印を揚げ、勝てば相手のポイントを獲得できる。しかし、負けてしまえば即脱落してしまうシビアな戦いだ。

 第1話では、「2時間以内に武田信玄を倒す」と書かれた旗印が出された。歴史上では、“戦国時代最強”と称されることある武田。そんな彼が、負けるはずがない。誰もがそう思ったが、旗印は205人分提出されていた。つまり武田は、たった1人で205人を相手にすることになる。みやびのように、「フェアーじゃないだろ!」と仲裁したくなる気持ちも分かるが、武田は「戦はそういうものなんだよ」と覚悟を決めていた。

 天下統一を目指す彼らにとって、“同情”などという感情は邪魔な存在。緻密な頭脳戦で、己を守っていかなければならない。武田の戦術は、完璧だった。まずは、トイレに籠城して、ドアを壊しにやってきた敵の体力を奪う。その後は、わざわざ狭い階段へ行き、1対1の戦いになるように仕向けた。しかし、最後の最後で井伊直政(駿河太郎)に一手先を読まれてしまう。そこで、武田を救いに現れたのが信長だったーー。

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