『石子と羽男』言葉以上に物語る中村倫也と有村架純の“目”の演技 赤楚衛二の複雑な視線も

『石子と羽男』中村倫也と有村架純の目の演技

 今回、課金問題を抱えた男子は、母親を思って名門中学への受験を決意。ところが、塾代などを工面するために母親がダブルワークをしているのを心配し、わざと高額課金を繰り返し、受験ノイローゼを装って塾をやめようというシナリオを描いたのだった。だが、そこに親に恵まれなかったという塾スタッフの歪んだ感情が絡み合い、同級生の不正アクセスまで話が広がってしまう。

石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー

 もともとは親と子で話し合えば済むものだった。それこそお互いの目をしっかり見つめ合って。だが、忙しい日々は相手の目を見て会話する余裕が奪われがちだ。目的のための手段が、いつの間にか手段が目的になってしまう。愛するものを守るため、という正義のためとなるとなおさら必死になり、本質を見失いがちになる。

 第三者を交えて複雑化してしまった事件ではあったが、今回も石子の丁寧な情報収集と羽男のフォトグラフィックメモリーの能力と大胆で奇抜な戦術で見事解決。石子が羽男の天才演出の練習を手伝うなど、バディとしてなかなかウマが合ってきたようだ。そんな2人に複雑な視線を送るのが、第1話の相談者であり、再就職先が見つかるまでアルバイトとして事務所で勤務することになった大庭(赤楚衛二)だ。

石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー

 高校時代から石子に憧れていたと話していた大庭は、雨が降るなか思い切って石子に傘を差し出すものの冗談のひとつもうまくいえないほど動揺する様子から、特別な感情を抱いているのは明らか。羽男もつついてみせるが、はぐらかしているところを見ると、まだ告白する勇気は持ってはいないようだ。そんな大庭の視線に石子も気づいているかのような眼差しを向ける。この恋の予感はどこに向かうのか。そして羽男にはどのような感情が芽生えるのか。

 さらに次回は羽男の父・泰助(イッセー尾形)と姉・優乃(MEGUMI)も登場。潮法律相談所にやって来る前の羽男について、少し見えてくるのではないかと期待が膨らむ。まだその視線でしか語られていないそれぞれの過去と現在の想いが、気になってしかたない『石子と羽男』。次回以降もギュッと詰まった濃密な1時間を楽しみにしている。

■放送情報
金曜ドラマ『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54放送
出演:有村架純、中村倫也、赤楚衛二、おいでやす小田、小関裕太、さだまさし
脚本:西田征史
演出:塚原あゆ子、山本剛義
プロデュース:新井順子
編成:中西真央、松岡洋太
音楽:得田真裕
主題歌:「人間ごっこ」RADWIMPS(Muzinto Records / EMI)
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/ishikotohaneo_tbs/
公式Twitter:@ishihane_tbs
公式Instagram:@ishiko.to.haneo_tbs

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