『ちむどんどん』大工哲弘が奏でた“本物”の八重山民謡 沖縄のおじいのリアルな姿は?
筆者は、八重山の離島で暮らしている。島では、突然家に人が訪ねてくることはわりとあることで、上原のぶっきらぼうにも聞こえる「比嘉賢三のうちか」の言い方も、親近感を覚えた。
ある日、かごなどの民具作りの達人のおじいから、突然かごバッグをもらったことがあった。1つ1つ丁寧な手仕事で作られる美しい編み目のかごはファンも多く、民具を扱うセレクトショップでも販売されている。それが「これ奥さんの」との一言で、夫がぽん、といただいたのだ。はじめは「誰かに頼まれたのか、人違いしてるのかな?」と驚いたが、よくよく確認すると、やはり筆者にいただいたものだった。
優子が家で紡いでいるのは、芭蕉布という沖縄の織物。
実際に仲間さんが手を動かして作業しています🧵
ご自宅で練習を積んで撮影に臨んだそうです。#ちむどんどん #朝ドラ#ちむどんフォト#仲間由紀恵 pic.twitter.com/MRGewJaUko— 連続テレビ小説「ちむどんどん」 (@asadora_nhk) April 13, 2022
歌子のもとへ突然現れ、多くを語らず歌声を聴かせた上原の姿は、筆者の身の回りにいるおじいやおばあの姿と重なった。また、暢子のふるさとである“やんばる”の場面になると、沖縄固有の鳥や虫の音が聞こえてきて、窓の外からの音なのか、映像の中なのか、どちらか分からなくなることがある。こうした、実際の自然の音色や本物の民謡歌手が登場することで、改めて“本物”が持つ力を見たように思う。一瞬の登場だったが、賢秀ニーニーのボクシングジムの会長を演じた具志堅用高も石垣島出身だった。
「お願い。小さくていいから、うちだけの夢を追いかけてみたい」
歌子は自分の心からやりたいことを見つけた。海辺で三線を手に歌う姿は、今までよりも芯のある声と晴れやかな表情で、応援したくなる。歌子の未来に一筋の光が、本物の民謡歌手によって差し込まれた。
参照
※1. https://www.pref.okinawa.lg.jp/toukeika/index.html
※2. http://daitetsukai.official.jp/?p=3302
■放送情報
連続テレビ小説『ちむどんどん』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
主演:黒島結菜
作:羽原大介
語り:ジョン・カビラ
沖縄ことば指導:藤木勇人
フードコーディネート:吉岡秀治、吉岡知子
制作統括:小林大児、藤並英樹
プロデューサー:松田恭典
展開プロデューサー:川口俊介
演出:木村隆文、松園武大、中野亮平ほか
写真提供=NHK