森七菜、上白石姉妹ら“歌える女優”が活躍中 音楽がパーソナリティーのアピールに
「俳優×歌」という組み合わせには特別な魅力がある。かつて「MajiでKoiする5秒前」で歌手デビューをし『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)にも出場した広末涼子、日本武道館でイベントを成功させた新垣結衣、CMソングを超えて「海の声」がMV再生回数1億回を突破した桐谷健太、「まちがいさがし」が国民的ヒットソングとなった菅田将暉と性別を問わず、いつの時代にも必ず歌える役者は存在している。
そのサイクルは新たなフェーズを迎え、特に2020年は女優が歌手としても活動するケースが多く見られたように思える。
その筆頭と言えるのが、ホフディランのカバー曲「スマイル」がヒットを生んだ森七菜だ。『オロナミンC』のCMソングが話題を呼び、年末には『ミュージックステーション ウルトラSUPER LIVE 2020』(テレビ朝日系)にも出演。MVの再生回数は2000万回を超えており、影を落とす日本に“スマイル”を与えてくれた。主演を務めた『この恋あたためますか』(TBS系)や朝ドラ『エール』(NHK総合)など、女優として飛躍を遂げた2020年であったが、ほかにも『ZIP!』(日本テレビ系)のパーソナリティーや多くのバラエティ番組にも出演。そこで見せる天真爛漫で飾らない姿の森七菜が、この「スマイル」のイメージとマッチしていたのも、ヒットの理由のひとつに挙げられるだろう。
『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)以降、今年も主演ドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)が話題を呼んでいる上白石萌音は、女優業と並行して昨年、初のオリジナルフルアルバム『note』をリリースしている。彼女といえば、2016年に自身がヒロイン役を演じた劇場アニメ『君の名は。』の主題歌「なんでもないや」が印象深い。その野田洋次郎(RADWIMPS)とのタッグはもちろんのこと、YUKIや橋本絵莉子、水野良樹(いきものがかり)といった豪華アーティストが参加した『note』は、上白石萌音の表現豊かなボーカルを最大限に引き出している。彼女が出演した『ほんとにあった怖い話 2020 特別編』(フジテレビ系)内の「あかずの間を造った話」での演技は、昨年筆者が驚かされた役のひとつであったが、上白石萌音のまだまだ底知れない魅力は歌手としても垣間見える。
妹の上白石萌歌も昨年はCMで「キリンレモンのうた」を清涼感ある歌声でお茶の間に響かせていた。また、彼女は「adieu」として歌手活動を行っており、2017年に『キリン 午後の紅茶』のCMで話題になったスピッツの「楓」を配信リリースしている。透き通るボーカルは姉妹共通。その別名義が象徴しているように、よりアーティスティックな印象をadieuからは受ける。