『Dr.STONE 龍水』見どころは千空と龍水が何をしでかすか? 物語から声優まで徹底解説
第2期で千空と司との戦いに決着がついたが、実はそこからが、世界中の人間が石化してしまった現象の真相に千空たちが迫る、本作の真骨頂。舞台も日本から飛び出し、世界の国々へと大きく広がっていくだけに、第3期のアニメでどのような映像になるのかを見たいというファンも多い。
とくに関心を集めていたのが、千空や司と並ぶ存在感を見せる「七海龍水」というキャラクターだ。彼はいったいどのように描かれるのか? それが来年を待たずに7月10日のTVスペシャルで分かるのだ。もう期待しか浮かばない。
七海財閥の御曹司だったという龍水だが、3700年後の世界ではそうした経歴も財産も、まったく意味を持たない。ただ、龍水の場合は、何でも欲しいと思って自分で試し、手に入れながら知識と経験を溜め込んできた。帆船まで作って航海していたというのだから、ただの金持ちではない。自分でロケットを飛ばして宇宙旅行を実現してしまったイーロン・マスクのような男だ。
その龍水が目覚め、何でも作り出す千空と組んでどれだけのことをしでかすのかが、第3期以降の本作の大きな見どころ。『Dr.STONE 龍水』はその前哨戦で、ど派手な登場をして大言壮語し、千空とともに物語を引っ張る姿を見られそう。そんな龍水の声を担当する鈴木崚汰は、『錆喰いビスコ』で主役のキノコ守り、赤星ビスコを演じて、ど迫力のバトルを見せてくれたばかり。傍若無人で唯我独尊なキャラならお手のものといったところを、今回も見せてくれるはずだ。執事で、性別や年齢が一切不明のフランソワともども、注目していきたい。
声に関して触れるなら、アニメ第1期に登場した千空の父親、石神百夜を演じた藤原啓治のハマり具合の抜群さは外せない。宇宙飛行士として国際宇宙ステーションにいて石化を逃れた百夜は、仲間たちとともに世界が復興へと向かうための大きな道筋を残す。家庭では千空の科学好きを支え、宇宙飛行士たちのムードメーカーとして絶望にうちひしがれる仲間たちを鼓舞する百夜を、藤原啓治は『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系)の野原ひろし、『交響詩篇エウレカセブン』(TBS系)のホランド・ノヴァクに並ぶ、最高のオヤジでありアニキといった感じで演じて見せた。
第1期最終話、「声は無限の彼方へ」で、仲間の歌声とともに驚くべき方法で3700年後まで残したその言葉は、百夜として千空に語ったものであると同時に、ファンに向けて語っているようにも聞こえる。2019年末の放送から4カ月後に、藤原啓治は亡くなった。今一度アニメを見返してその演技に触れることで、第3期以降も走り続ける千空とともに、ラストまで駆け抜けることを決意したい。
■放送情報
『Dr.STONE 龍水』
7月10日(日)より、60分テレビスペシャル放送・配信開始
TOKYO MX:7月10日(日)19:00〜20:00
BS11 :7月10日(日)19:00〜20:00
KBS京都:7月11日(月)19:00〜20:00
サンテレビ:7月12日(火)25:30〜26:30
アニマックス:8月7日(日)20:00〜21:00
原作:稲垣理一郎、Boichi『Dr.STONE』(集英社)
監督:松下周平
出演:小林裕介、鈴木崚汰、古川慎、市ノ瀬加那、沼倉愛美、佐藤元、前野智昭、村瀬歩、上田麗奈、高橋花林、河西健、麦人、小野賢章、中島ヨシキ、種﨑敦美、間宮康弘、日笠陽子、石見舞奈香ほか
シリーズ構成・脚本:木戸雄一郎
キャラクターデザイン:岩佐裕子
デザインワークス:水村良男
メインアニメーター:堀内博之
美術設定:青木智由紀
美術監督:吉原俊一郎
色彩設計:中尾総子
撮影監督:葛山剛士
編集:坂本久美子
音響監督:明田川仁
音楽:加藤達也・堤博明・YUKI KANESAKA
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント
オープニングテーマ:BURNOUT SYNDROMES
(c)米スタジオ・Boichi/集英社・Dr.STONE製作委員会
公式サイト:dr-stone.jp
公式Twitter:@STONE_anime_off
公式Instagram:dr.stone.anime.official