『サマータイムレンダ』花江夏樹、河瀬茉希らの名演が光る 物語は5回目のループへと突入
窓と朱鷺子の対立シーンでは、表情の作画が丁寧に描かれていたが、なんと言っても小野と河瀬の鬼気迫る叫び声に熱がこもっていて圧倒された。さらにもうひとつ朱鷺子の口から告げられたのは、窓たちの母親が生きられているのはハイネのおかげだったということ。朱鷺子が影に協力していたのは、母親を守るためでもあったのだ。2人の掛け合いからは1人だけ何も知らずにいた窓のやり切れない思いと、母親のためにやむを得ず協力していた朱鷺子の葛藤が嫌というほどに伝わってきた。
潮の身体をハイネに食べられるのだけは許せない慎平は、まだ諦めていなかった。慎平の合図とともに、潮の影は一気に行動を開始し、本物の潮を回収、そしてコピーすることに成功。慎平と潮の固い絆が垣間見られたシーンだった。それに激昂したハイネは側にいた影を使って、慎平たちに襲いかかる。ここの戦闘シーンが大迫力の作画となっており、水しぶきをあげながら勢いよく迫りかかってくる影に対して、なめらかに動き回って影を仕留める潮の流麗なモーションは爽快だった。
また、窓や朱鷺子、さらには澪が血を流す展開の中、その状況に絶望する慎平の息遣い、そしてもう一度ループをするために決死の覚悟で服毒自殺を図る覚悟を示した花江の渾身の演技にはもはや凄みが感じられた。
5度目のループを決死の覚悟で実現させた慎平と潮の影。とはいえ、ループの基点は徐々に遅くなってきており、残された時間はわずかしかない。あの惨劇を二度と繰り返さないために、5度目のループで慎平はどう行動するのか。2クール目も引き続き注目していきたい。
■放送情報
『サマータイムレンダ』
TOKYO MX・BS11にて、毎週木曜24:00~放送
関西テレビにて、毎週木曜26:55~放送
アニマックスにて、毎週土曜20:00〜放送
J:テレにて、毎週月曜25:00~放送
声の出演:花江夏樹、永瀬アンナ、白砂沙帆、日笠陽子、浦山迅、小野賢章、河瀬茉希、大塚明夫、玄田哲章、上田燿司、小西克幸
原作:田中靖規(集英社ジャンプコミックス刊)
監督:渡辺 歩
シリーズ構成:瀬古浩司
キャラクターデザイン:松元美季
アニメーション制作:オー・エル・エム
制作:小学館集英社プロダクション
(c)田中靖規/集英社・サマータイムレンダ製作委員会