木村拓哉×スポーツドラマの歴史を振り返る 過去にはラガーマンやレーシングドライバー役も
『エンジン』(2005年)
2005年にはドラマ『エンジン』(フジテレビ系)でレーシングドライバー・神崎次郎役を演じた。海外で活躍するレーサーだったが、チームをクビになり帰国。養父が営む施設で子どもたちの送迎を行う運転手として日本での生活がスタート。そしてレーサーとしての再起の物語、そしてともみ先生こと、小雪が演じる水越朋美との恋愛も描かれた。
『未来への10カウント』で演じた、元ボクサーで高校ボクシング部のコーチという役柄も年齢を重ねたからこその役と言えるだろう。木村のラジオ番組『木村拓哉 Flow supported by GYAO!』(TOKYO FM)6月5日の放送回で、第6話の激しいスパーリングシーンの撮影時にぎっくり腰を患い、さらしを巻いて撮影を乗り切ったと明かしていた。迫力のある場面がしっかりあるからこそ「自分で勝手に限界作るな!」という桐沢のメッセージが響いた。それと同時に年齢や経験を重ねても挑戦し続ける俳優としての姿勢にも胸を打たれた。
また、これまでスポーツ選手以外にも美容師や検事、パイロットなどの役を演じてきた木村が、以前バラエティ番組『HERO THE TV』(フジテレビ系)にて、木村が演じた役に影響を受けてその職業に就いた一般人と対面したことがあった。
作品が注目を集めるだけではなく、劇中で見せるファッションやヘアスタイルから様々な流行が生まれるのも木村が出演するドラマの特徴。今年5月放送のラジオ番組にはボクサーからメールが寄せられており、その影響力は今も健在なようだ。いち視聴者としても木村拓哉という俳優と一緒に、様々な作品に出会い、共に年齢を重ね、役どころが変わっても楽しめる喜びを感じている。
ドラマスタート前に行われた会見で、共演の安田顕が木村について「自分が光るだけではなく、こちら側、相手が光るためにはどうすればいいかとか、そういう提案をしてくださる」と木村の俯瞰力について言及していた。木村がスポーツ選手などのプレイヤーとして駆け抜けてきた時代を経て、『未来への10カウント』や『教場』(フジテレビ系)シリーズのように、主役として不動の存在感を放ちながらも、若き俳優陣を多数迎えた作品も目立つようになった。木村の姿勢から学びを得た俳優陣が、これからどんどん羽ばたいていくのではないだろうか。