チャ・スンウォン、イ・ビョンホンら『私たちのブルース』俳優たちの“名演”を味わう4作
イ・ビョンホンのギャップに酔いしれる『ミスター・サンシャイン』
『私たちのブルース』は、イ・ビョンホンという俳優の凄みをあらためて痛感させられる作品でもある。キャストからオクドン(キム・へジャ)&ドンソク(イ・ビョンホン)のエピソードがこの物語の“大トリ”だろうと気づいていた人も多かっただろうが、いざこの二人が同じ画面に収まっているのを見ると、画面を圧倒するオーラに震えてしまう。数十年、胸の中にとどめていた母に対する愛情、懐かしさ、後悔のすべてを表情で悟らせる彼の演技は圧巻だった。少し気は早いが、来年の百想芸術大賞にノミネートされる事をすでに確信してしまうほどの“レベチ”な演技だった。
「千の顔を持つ俳優」と称される大スターイ・ビョンホン。そんな彼の演技力を24話存分に味わえるのが名作『ミスター・サンシャイン』だ。彼が演じるのは、幼い頃低い身分から朝鮮に絶望しアメリカに渡り、任務で再び朝鮮の地を踏んだ米軍海兵隊大尉ユジン・チョイ。エシン(キム・テリ)と出会い、恋に落ち、恨んできた祖国朝鮮への想いが徐々に変化していく。軍服に身を包んで格別なオーラを漂わせているが、ヒロインの前ではまるで初恋を経験する少年のような無邪気な笑顔を見せる。彼の最大の資産である快晴の笑顔と、身分差を超えられない切ない恋の前で一喜一憂するそのギャップに、がっつり心を掴まれてしまうはずだ。
『私たちのブルース』でウニ役を演じたイ・ジョンウンが、本作でも名演技を披露しているのに加えて、『二十五、二十一』で日本でも注目を浴びたキム・テリが、朝鮮最高名家の令嬢を演じているのも見どころだ。
イ・ジョンウンらが輝いた名作『まぶしくて ー私たちの輝く時間ー』
『私たちのブルース』でもう一度代表作を更新したのがウニ役のイ・ジョンウンだろう。『ミスター・サンシャイン』、『椿の花咲く頃』など助演女優として欠かせない存在だった彼女だが、今作では義理人情溢れるウニというキャラクターに特別な息を吹き込んだ。そしてダウン症の双子の姉ヨンヒ(チョン・ウネ)とのエピソードで障害を持つ人々とその家族が現実的に経験する痛みと状況を繊細に表現したハン・ジミン。そしてラストのドンソクとのエピソードで鳥肌ものの演技を見せたキム・へジャ。『まぶしくてー私たちの輝く時間ー』は、この「演技の神」とも言える3人が共演を果たした作品だ。百想芸術大賞では、本作でキム・へジャが大賞を、イ・ジョンウンが助演賞を受賞した。まさに彼女たちの“名演”を存分に味わえる一作だ。
25歳のキム・ヘジャ(ハン・ジミン)がある日、70代の老人の姿(キム・ヘジャ)になってしまい、予想不可能なストーリーを繰り広げていく。ファンタジードラマだと思いがちだが、その予想を見事に裏切った先にある、キム・へジャが伝える“メッセージ”が、韓国の視聴者がこぞってこの作品を「人生ドラマ(人生において長く記憶に残る最高のドラマ)」にあげる所以だ。『私たちのブルース』同様に、「幸福は遠くにあるのではなく、いつも近くにある」というメッセージが深い響きを与えてくれる、“ブルースロス”にはぴったりの一作だ。
■配信情報
『ミスター・サンシャイン』
Netflixにて配信中
企画:スタジオドラゴン
脚本:キム・ウンスク
出演:イ・ビョンホン、キム・テリ、ユ・ヨンソク、キム・ミンジョン
(写真はtVN公式サイトより)