映画『五等分の花嫁』魅力的な五つ子を演じきった声優の実力 風太郎の決断にエールを送る
また、兄弟や姉妹が多い人ならご存じの、あのギャーギャーとした賑やかな感じをリアルに演じた、五つ子姉妹の演技もこの作品の魅力だ。1期の公式インタビュー(※)では、「お互いに気を使っているようでは、自然な五つ子感も出せないと思うんですよね。みんなが自然体でいられて、しゃべりたいときにしゃべって、食べたいときに食べるみたいなのが家族だと思うし、そういう空気が自然とあるので、私はこの現場がすごく好きです!」(伊藤)、「差し入れをいただいて、“食べる?”“私はあとで食べるからいいや”というようなやりとりがあって、そういうのがすごく家族っぽいですよね。私も、そういう気を使わない空気が好きだな」(竹達)と語る。
もともと人気声優なだけに共演機会も多く、公私ともに仲がいい5人だからこそ醸し出せる空気感が、演じる以前に五つ子感を醸し出しているのかもしれない。実際、インタビューでも「マイク前に5人で並んでかけ合いをしているときは、すごくワチャワチャしていて楽しいです。それこそ予告で“五つ子豆知識!”って、5人揃って声を合わせている瞬間は、五つ子感があってすごくうれしくて楽しい瞬間です」(伊藤)、「私は、アドリブを入れるときが楽しいです。決まったセリフはないのに、パッと出てくる言葉がすでに五つ子なんです。どんな返事が返ってくるかわからない面白さもありますし、自然に五つ子の会話ができあがっていて、そのときはすごく楽しいです。1話は、すごくわかりやすくアドリブが入っていたんじゃないかな」(竹達)と明かしていた。
1期から映画まで、コロナ禍を挟んでのアフレコ現場は、その都度やり方や状況がきっと大きく変わったと想像されるが、そんなことを微塵も感じさせない5人のやりとりは、映画でますますパワーアップしている。そんな女性陣5人の中に、男1人放り込まれた上杉風太郎役の松岡禎丞の心中はお察しするが、最初は感じていた居心地の悪さも、きっと居心地の良さへと変わっただろう。そんな心境の変化こそが、風太郎の決断を鈍らせる要因であり、それでも誰か1人を選ばなければいけないという決断を後押ししたとも言える。
映画では告白の舞台として文化祭最終日が描かれる。テレビアニメ1期第1話では「上杉くんまたひとりだよ」と陰口を言われていた風太郎も、気づけば学校に馴染んでいて、四葉と文化祭の実行委員として奮闘。クラスメイトからも頼られる存在になっていたのは、振り返るとエモさが倍増する。たくましく成長した風太郎の決断にエールを送ろう。
参照
※ https://www.tbs.co.jp/anime/5hanayome/1st/special/special08.html
■公開情報
映画『五等分の花嫁』
公開中
出演:松岡禎丞、花澤香菜、竹達彩奈、伊藤美来、佐倉綾音、水瀬いのり
配給:ポニーキャニオン
(c)春場ねぎ・講談社/映画「五等分の花嫁」製作委員会
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/anime/5hanayome/
公式Twitter:@5Hanayome_anime