『東リベ』三ツ谷隆は東卍で最も器が大きい男? 松岡禎丞が表現した異質なヤンキー

 2021年4月よりMBS、テレビ東京ほかにて放送されたアニメ『東京リベンジャーズ』(以下、『東リベ』)の第2クールが最終話を迎えた。

東京卍リベンジャーズ

 回を重ねるごとに話題性が高まり、SNSでアニメ関連のハッシュタグを見掛ける機会も多かっただろう。人気絶頂の中での放送終了にファンからは悲しみの声が挙がっている。

 まだまだフォーカスされていないキャラクターが多数いるため、ぜひ第2期を期待したいところ。特に人気の高い東京卍會(以下、東卍)弐番隊隊長・三ツ谷隆の活躍を所望する人は多い。

 彼メインのストーリーはアニメ第1期で取り上げられていないが、どこか“気になる存在”である三ツ谷。注目が集まる理由は不良らしからぬ穏やかさを持ち、面倒見の良い人柄が関係しているに違いない。

 剃り込みの入った眉毛にシルバーの髪、大ぶりのピアス。見た目は完全にヤンキーそのものだが、心根の優しさは『東リベ』でナンバーワンと言ってもいいほど。まだ東卍に正式入隊していないタケミチへも変わらぬ態度で接し、初登場時から器の大きさを見せた。

 あまりに面倒見が良すぎるため、マイキーにタケミチの世話を頼まれる(押し付けられたとも言える)シーンもあるが、きちんと任務を全うする誠実さが素晴らしい。ただ様子を伺うだけでなく、時には家族同然のように叱るなど指導力にも長けているのだ。

 アクの強い人々が揃う中で“常識人”的ポジションにいる三ツ谷。普段は学校もサボらずに通い、手芸部の部長を務めるなど一般的な“ヤンキー”のイメージとはかけ離れた生活を送っているとか。特攻服の仕立ても担当し、兄貴肌の枠を完全に越えているような気がしなくもないが……。

 見事に昼と夜の顔を使い分け、時に組織の隊長らしい一面を見せてくれるギャップがたまらない。裏表がなく全てを“表”だけで一貫する、今までに見たことない不良。そのアンバランスさが本作のファンを惹きつけている。

 マイキードラケンたちと同様、彼もまた東卍の創設メンバーの1人。チームが作られる前から仲間とバイクを走らせ、彼らと共に歩んできた。

 どうやら面倒見の良さや頼れる性格は昔からのようで、真の創設者・場地圭介がそれぞれのポジションを決める際に「親衛隊長」を任命されている。“みんなのまとめ役”と言われるほど、全員から厚い信頼を得ていたのだ。

 どこにいても人気が高く、周囲からはとにかく愛される。彼は良い意味で“人たらしの天才”なのかもしれない。

 溢れんばかりの優しさと強さを持った三ツ谷だが、なぜそのような気質なのか? その理由や過去はまだアニメ版にて明かされていない。第2期が制作されたらようやく彼にフォーカスされる日がやってくるだろう。今からその日を心待ちにしたいところである。

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