『ちむどんどん』良子と博夫が結婚へ 『エール』『まんぷく』朝ドラの姉妹夫婦を振り返る

『ちむどんどん』朝ドラの兄妹夫婦を振り返る

 『ちむどんどん』(NHK総合)第7週「ソーミンチャンプルーvsペペロンチーノ」では、レストラン「アッラ・フォンターナ」で働き始めた暢子(黒島結菜)とそのオーナー・房子(原田美枝子)の料理対決を描きながら、一方の沖縄では良子(川口春奈)の結婚問題が並行して展開されている。

 朝ドラと言えばヒロインの恋愛模様が大きな軸の一つになっていくわけだが、暢子は料理人になるという夢にまっしぐら(見方を変えれば鈍感でもある)な少女。ここまで陸上部キャプテンの正男(秋元龍太朗)や暢子を追って上京してきた智(前田公輝)、後に思わぬ再会を果たすこととなる和彦(宮沢氷魚)など、数々の人物から好意を寄せられても、なかなか心をトキメかさない。序盤における恋愛要素は姉の良子がほぼ担っていると言っても過言ではなく、朝ドラとしてはなかなか珍しい構成でもある。

 今回の『ちむどんどん』のように、ヒロインのきょうだいたちの恋路が多く描かれた朝ドラを振り返ると、近作では2020年放送の『エール』が挙げられる。主演の窪田正孝が演じた古山裕一、ヒロイン・二階堂ふみの関内音のそれぞれにきょうだいがおり、一人ひとりのエピソードがしっかりと描かれたことも印象的だ。なんといっても特筆すべきは、吟(松井玲奈)、音、梅(森七菜)の関内家三姉妹。新聞に掲載された裕一に運命を感じ、福島と豊橋間で文通を重ねていく電撃的なタイプの音に対して、幼少の頃から結婚を夢見ていた吟は理想とは裏腹の人生を辿っていく。見合いで出会ったのは軍人の智彦(奥野瑛太)。好きなことをして生きていこうとする音と軍人の妻として堅実に日々を全うしていく吟の人生はなんとも対照的だ。

 三姉妹の末っ子で文学少女の梅は、自身の才能の理解者である五郎(岡部大)と7年越しに結ばれることとなる。その恋愛模様は劇中で最もピュア。『エール』を機に主演を張る役者へと躍進していった森七菜に、2023年放送の『どうする家康』で大河初出演にして重要な役を演じることが発表されている岡部大。今振り返っても、2人にとって『エール』は出世作に数えられる作品だった。

 ドラマの佳境では、裕一と長年確執のあった弟の浩二(佐久本宝)がリンゴ園のまき子(志田未来)と結ばれる。そこにはなかなか前に踏み出せない浩二の背中を押す義姉の音の存在があった。ちなみに、最終回手前の最終盤は裕一と音の一人娘・華(古川琴音)がほぼ中心的立ち位置に。その相手となるアキラを演じるのは、『ちむどんどん』で和彦役の宮沢氷魚だ。

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