『ちむどんどん』『カーネーション』でお坊ちゃん役 渡辺大知演じる金吾に反撃の余地は?

渡辺大知は朝ドラ“お坊ちゃん役”の常連?

 個性豊かな沖縄四兄妹の日々を描いたNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』は、四兄妹それぞれが騒がしく、ドタバタしているが、彼らを取り囲む人たちも同じくらい個性的で騒がしい。特に周りに振り回されているのは、長女の良子(川口春奈)ではないだろうか。

 良子は学生時代からの友人・博夫(山田裕貴)に好意を寄せている。第20話では「俺と、けっ……、勉強会しよう!」と、博夫が良子に言う場面があり、博夫も良子のことを好ましく思っているようなのだが、決定的な一言が出てこない。逆に、良子は博夫と対照的な性格の喜納金吾(渡辺大知)に熱烈なアピールを受けている。金吾は良子の職場に花を持って押しかけ、人目も憚らず求愛。その常識知らずな行動は良子の兄で、問題児の賢秀(竜星涼)を彷彿とさせる。このふたりは仲が良いわけではないようだが、その掛け合いは息ぴったりで、やはりどこか通じるものがあるのでは? とつい考えてしまう。

 金吾は良子たちの村の製糖工場の息子。村では有数の裕福な家の跡取り。『ちむどんどん』では、眞境名商事社長の息子・英樹(時任勇気)や屋良物産社長の娘・ひとみ(池間夏海)のように、村では名の知れた名家の子息が出てきているが、いずれもちょっと性格に難があった。だが金吾は、トイレで遭遇した賢秀にさりげなくハンカチを差し出し、賢秀に言い寄ってきている我那覇(田久保宗稔)は前科持ちの詐欺師であることを教える。どうやら金吾はこれまでの御曹司たちと違って、紳士的な一面があるようだ。

 そんな金吾を演じているのが渡辺大知だ。渡辺は2007年、高校在学中にロックバンド・黒猫チェルシーを結成してボーカルを務め、2010年にデビュー(現在、バンドは活動休止中)。2009年に俳優の田口トモロヲが監督を務めた映画『色即ぜねれいしょん』で、演技未経験ながら、オーディションで2000人の中から主役に選ばれ、俳優デビューを果たし、その年の日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞。その後もさまざまな映画やドラマに出演しながら、2015年に舞台『男子!レッツラゴン』で初舞台で主演、2021年にドラマ『イタイケに恋して』(読売テレビ・日本テレビ系)で地上波の連続ドラマに初主演するなど順調にキャリアを重ねてきた。NHKとも縁が深く、大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(2019年)には森繁久彌役、『青天を衝け』(2021年)には徳川家定役で出演している。朝ドラもこの『ちむどんどん』が3作目の出演となる。

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