Netflixランキング上位の人気作 『グリーン・マザーズ・クラブ』が描くママ友たちの争い
Netflixで配信中の『グリーン・マザーズ・クラブ』が日本のランキングでは上位に入るほどの人気ぶりだ。「すばらしき景色」というマンションに住まうママ友たちの関係を描いた本作だが、徐々に本当の姿が明らかになっていく。
中盤戦に差し掛かろうとしている本作は、大きな事件をきっかけに良くない方向へと動き出そうとしていた。ジナ(キム・ギュリ)が自ら身を投げてしまったのだ。
「すばらしき景色」の構造とママ友の支配
ウンピョ(イ・ヨウォン)は、ジナを鬱陶しいと思っていたこと、そしてそれは自分の劣等感からだと本人に打ち明けていた。それでも無神経に、自分をクビにした教授を紹介してきたり、自分の母親にまで取り入ろうとした彼女に対して、ウンピョは「精神的な病気なの?」と辛辣な言葉を放ってしまう。その後、ジナがすぐ身を投げてしまったことから、自分のせいだと責め続け、またもやジナに苦しめられることになってしまう。
その後、ママ友たちの間で、なぜジナが自殺してしまったのか憶測が飛び交うことになる。最後に会ったのはチュニ(チュ・ジャヒョン)だが、なぜ会ったのか具体的に問われるのを避けるため、ウンピョがルイ(ロイ)と浮気をしたからだと言っていた、とデマを流した。
ウンピョは、ルイとの浮気を否定する一方で、自分を責め続け、無気力になっていた。そして、チュニによって、ウンピョの夫が「会社員」ではなく「刑事」であること、ウンピョがジナやルイを昔から知っていたこと、今は教壇に立っていないことをバラされ、嘘つきのレッテルを貼られてしまう。
ママたちの間でとんでもない憶測が飛び交っている間に、子供たちの英才教育院への入試も近づいてくる。この日のために、子供たちはテレビも見ずに勉強をしてきたのだ。小さい子供にとってこの試験に人生がかかっていると言っても過言ではない。緊張を感じつつ、ママたちは結果を見ると、ドンソク(チョン・シユル)とスイン(パク・イェリン)のみ合格し、チュニの娘・ユビン(チュ・イェリム)は不合格となった。泣きじゃくり、悔しい悔しいと叫ぶユビンの姿には、親でもない視聴者ですら心が痛くなってしまう。
後日、チュニの耳にとんでもない噂が入る。ユビンとスインがドンソクにセクハラをされたというのだ。チュニはすぐに塾や学校に報告し、ママ友たちを集めてウンピョの家族に町を出ていくようにと責める。呆然としたウンピョは、事実確認のためにドンソクに尋ねると「やっていない」と主張する。ドンソクを信じるウンピョだったが、加害者と思われているドンソクのことは誰も信じることはなかった。しかし、子供たちの噂を偶然耳にし、ユビンに仕組まれた罠だと確信を持ったウンピョは、形勢逆転。ママ友会に乗り込み、嫌がらせをするのはなぜかとチュニに問いかけた。それでも強気な姿勢を崩さない彼女に、ウンピョも怒りが最高潮に達し「殺してやる!」とまで叫んだ。ここからウンピョとチュニのさらに熾烈な争いが始まっていく。
自分やドンソクを苦しめたママ友たちの噂文化を根絶するためには、子供に1位を取らせるしかないと確信をしたウンピョ。自身も勉強し、ドンソクとスインも一緒に全国算数学力大会に出場をする。もちろん、ユビンも参加している大会だった。持ち前の能力とママたちの努力で、ドンソクは大賞、スインは金賞を受賞し、ドンソクは天才キッズが出演するテレビ番組でも賞金を獲得した。ママ友たちだけでなく、ウンピョに強く当たっていた姑や親戚まで大喜び。今までウンピョをよく思っていなかった人たちが、あっという間に自分の味方になっていった。
しかし、子供の心は爆発寸前だった。家庭の名誉はもちろん、ドンソクに恥をかかせないようにと勉強を強いるようになってしまったウンピョに対して、ドンソクは反抗し始める。プレゼンテーションをする日も自分の発表時間になると逃げ出し、お漏らしをしてしまったり、机の下で紙袋を被って静かに泣いている。それを見たウンピョは心配しつつも、怒鳴ってしまう。遊び盛りの小学生に自分のペースではなく勉強を強いること、それは大きなストレスや将来のトラウマへも繋がってしまうだろう。将来のためと言いつつも、大人の事情に子供を利用するなんてもっての外である。韓国の教育事情も深刻なものであるのだと感じるが、同時に世界中の親たちが教育について考える良いきっかけとなりそうだ。