等身大の自分を受け入れる 『私たちのブルース』脚本家ノ・ヒギョンによる韓国ドラマ4選

『私たちのブルース』脚本家の韓国ドラマ4選

『ディア・マイ・フレンズ』(2016年)

『ディア・マイ・フレンズ』(tvN公式サイトより)

 心に抱えた傷と向き合いながら、懸命に生きるシニア世代の親友たちを描いた作品。“あなたの人生はあなたのもの”、“悔いのないよう生きなさい”、と語りかけ背中を押してくれるような一作だ。笑いあり涙ありハラハラありと見応えたっぷりで、2017年百想芸術大賞テレビ部門では、作品賞を受賞した。

 自分はこうあるべきだと考え生きてきた登場人物たちが、様々な出来事を機に自分自身を解放していく姿は、本作の見せ場の一つになっている。彼らの考え方や行動が変化していく度に、グッとくる。また、本作では、主要キャラクターの娘が物語の語り手になっているのだが、サブストーリーとして描かれる娘の恋愛物語も見逃せない。特に、あえてセリフなしで心情を描く“とあるシーン”が秀逸で、是非観ていただきたい。涙なしには観れないシーンもあるが、温かい気持ちで心が満たされるような一作だと思う。

『大丈夫、愛だ』(2014年)

『大丈夫、愛だ』(SBS公式サイトより)

 心の風邪をひいた登場人物たちが、過去の自分や胸の奥に閉じ込めてきた誰かを許しながら生きていこうする愛の物語。劇中では、愛情表現にトラウマを抱えた医師と秘密を抱えた小説家に焦点を当てて心情を描いていく。小説家が、自分自身や医師に投げかける言葉によって、観る人の心も救われていくような作品だ。

 自分1人では受け止めきれない現実も、ただ誰かに聞いてもらうだけで心が軽くなっていくという過程が見どころの一つ。自分の足りない部分に目が行き、つい頑張りすぎてしまう人へ贈りたくなる。

 ノ・ヒギョンが手掛ける作品の素晴らしさを挙げるとキリがないが、生きていく中で“心を縛られてしまった”登場人物たちが、恋愛や友情、家族愛を通して、等身大の自分を受け入れ、自分を愛する事で今まで以上に周りを大切にしていくような描き方が特に印象的だ。毎週配信中の『私たちのブルース』が、どのようなメッセージと共に最終話を迎えるのか、見届けたい。

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