大西沙織が現場にいれば間違いない! 格好良くて頼りがいのある“声優界の式守さん”
今年声優デビュー10周年イヤーとなる大西。過去のインタビューで「私は声質には特徴がないのですが、トーンの幅は広いと思っています。気持ち的にはいろいろ演じてみたいですが、“この声って大西沙織だよね”と皆さんに見つけていただけるまでは、等身大に近い役を演じて、私の声を知ってもらえたら嬉しいです」(※2)と答えていた。
彼女の発言を言い換えると、彼女の声は何にでも染まることのできる真っ白なキャンバスだということ。実際に、これまでに主人公はもちろん、メインキャストの一角など様々な立ち位置で作品に参加し、ファンタジーからラブコメ、ミステリーなど実に多彩な作品に出演。一つのイメージに縛られることなく、その役や作品と自然に馴染み、違和感の無い演技で作品の人気に一役買って来た。
近年は『ウマ娘 プリティーダービー』のメジロマックイーン役で知られる。同役での、高貴で気品に満ちたセリフ回しが印象的だ。また、『冴えない彼女の育てかた』では、外交官のお嬢様で同人活動を行う澤村・スペンサー・英梨々を演じ、少しテンション高めのツンデレが評判となった。『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』では、信念を持って剣を振るう最強の剣姫=アイズ・ヴァレンシュタインを好演。
他にも『エロマンガ先生』の和服中学生ラノベ作家=千寿ムラマサ、『殺し愛』の無口な賞金稼ぎ=シャトー・ダンクワース、『ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。』では、“ゆるふわ”な悪魔=ベルゼブブ、『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』では、国民的妹=桃坂真理愛。『アイカツオンパレード!』のアリシア・シャーロットでは美声も聴かせた。非常に振り幅が大きく多彩さと起用さがうかがえ、ギャップを持った役やツンデレの役も多いように感じる。
ギャップというもののは、単に極端さを出せればいいという訳ではない。絶妙な塩梅、つまり優れたバランス感覚が必要とされる。時にはメインヒロインとして作品の行く末を担い、時には名バイプレーヤーとして作品を陰から支える。大西は多彩な現場と役柄によって、そのバランス感覚が研ぎ澄まされていったのだろう。
バランス感覚の良さは、アニメの現場以外でも感じることができる。例えばラジオやインターネット番組などでは、気づけば誰かの隣にいて、得意の迷言を繰り出すなどで番組を盛り上げる。加隈亜衣、佐倉綾音、水瀬いのりなど、大西を親友または盟友に挙げる同業者も多く、2018年に第12回声優アワード助演女優賞・パーソナリティ賞を受賞したのもうなずける。
“この人が現場にいれば間違いない”という、安心感や確かさ。可愛いだけじゃない、格好良くて頼りがいのある存在感。大西沙織は、まさしく声優界の式守さんだ。
参照
※1 https://shikimori-anime.com/news/index00030000.html
※2 https://ddnavi.com/interview/207300/a/
■放送情報
『可愛いだけじゃない式守さん』
ABCテレビ・テレビ朝日系にて、毎週土曜26:00~放送
原作:真木蛍五(講談社『マガジンポケット』連載)
監督:伊藤良太
副監督:山中祥平
シリーズ構成:成田良美
キャラクターデザイン:菊池愛
総作画監督:菊池愛、渥美智也、武藤幹、室田雄平
メインアニメーター:納武史、尾辻浩晃、澤井駿、沢田犬二、宮原拓也
プロップデザイン:松本恵
色彩設計:伊藤裕香
撮影監督:桒野貴文
美術監督:鈴木俊輔
編集:木村佳史子(MADBOX)
音楽:堤博明
音響監督:高寺たけし
アニメーション制作:動画工房
キャスト:大西沙織、梅田修一朗、松岡美里、日高里菜、岡本信彦、福原綾香
(c)真木蛍五・講談社/式守さん製作委員会
公式サイト:https://shikimori-anime.com/