『ファンタビ』第2作は最新作を読み解くヒントに グリンデルバルドが放つ奥深い魅力
今こそ、謎のヴェールに包まれた魔法界の扉を開ける時――。『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』が公開され、いよいよ新たな物語の全貌が明らかになる。『金曜ロードショー』(日本テレビ系)では4月1日に引き続き、新たな幕開けに繋がる過去作を放送。最新作の公開日である4月8日には、シリーズ2作目『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が放送される。
前作『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で描かれた一件を終え、アメリカからイギリスに戻ってきたニュート。時を同じくして、闇の力で魔法界を脅かすグリンデルバルドが脱走したことを知る。恩師であるダンブルドアから「奴と戦えるのは君しかいない」と諭されたニュートだが、未だ闇の勢力と対峙することに決心がつかないままでいた。そんな折、偶然にも再会したジェイコブとともにゴールドスタイン姉妹に会うためパリへと向かうことに。グリンデルバルドは信奉者を率いてパリを根城にし、着々と計画を推し進め暗躍していた。
本作は1作目と比べ、より闇の魔法使いであるグリンデルバルドの存在感が増し、ストーリーの要に関わってくることとなる。そんな重要人物であるグリンデルバルドを演じたのは、カリスマ的俳優として数多くの作品に出演するジョニー・デップだ。
「グリンデルバルドは、愛や光、理解や好奇心などを信じる人の価値観に対する、明らかな脅威だ。彼は仲間のふりをしながら、これは仕方のないことなのだと説明する。人の気持ちが分かるふりをするんだ。(中略)彼はかつてないほど危険な悪党なんだ」(※1)
デヴィッド・イェーツ監督
本作の世界観においても一際奥深い魅力を放ち、多面的な悪役として物語を動かしていくグリンデルバルドを演じるにあたってデップがまず行ったことは、衣装デザイナーのコリーン・アトウッドへの相談だった。2人は衣装というアイデンティティを通して入念にグリンデルバルドのキャラクター観を打ち合わせ、外観から彼に滲み出る雰囲気を構築していったという。二面性を暗示しているグリンデルバルドの象徴的なオッド・アイに使用されたコンタクトは、デップ自らデザインしたもの。そのような役者本人によるこだわりを経て、本作のグリンデルバルドは言葉巧みに人々を扇動し、自陣に取り入れる人心術に長けた唯一無二のダークヒーローとなったのである。
シリーズ最新作のグリンデルバルド役は、デップから代役のマッツ・ミケルセンへとバトンが渡った。デップの後任として役を演じること、またウィザーディングワールドに初参戦することに関して、ミケルセンはこう話している。
「彼(ジョニー・デップ)は卓越した役者ですから真似をするのは創作的な自殺になるでしょう。自分だけの何かがあり、彼が残したものとの橋渡しとなるような演技を理解しなければいけませんでした」(※2)
「僕は『ハリー・ポッター』ユニバースの大ファン。僕にはあまり馴染みのないジャンルだし、(祖国の)デンマークでは予算的に実現できない作品。素晴らしい機会をいただきました」(※3)
その言葉通り、最新作の予告ではデップ演じたグリンデルバルドの造形を部分的に踏襲しながらも、あくまで彼らしい演技で役柄へアプローチしていることが伺える。2作目とはまた異なる、ミケルセンが醸し出す魅力全開の新生・グリンデルバルドに期待の目を向けざるをえない。