『明日』ではエリート死神役に “人間ではない役柄”を好演するイ・スヒョクに夢中!
さて、『明日』では自殺志願者に対して「自ら死を選ぶものにチャンスを与えるのは人材の浪費」「自殺は人間が犯す最大の過ちで許しがたい犯罪」だと主張するジュンギルと、「この世で逃げ場を失った人たち」「誰より生きたかった人の最後のあがき」と受け止め、自殺に追い詰められた者たちを何としてでも救いたいリョンは常に衝突する仲だ。しかしジュンギルは、危険な状況にいたジュヌンを助け出したことや、かつては部下だったリョンに心の負担が重い業務を避けるように配慮していた一面を持つ。
危機管理チームの存在意義にここまで嫌悪感を抱いているのは何か理由がありそうだが、規則を破って人を救う者ばかりでは組織は成り立たない。残酷だと言われても軌道を修正する役回りが必要なのだ。そして人間の最期を見届けるつらさを飲み込み、「それが死神の仕事だ」とやり遂げるジュンギル。彼の冷徹さは、自らが死を体験し数多くの死と向き合う死神たちを支える優しさでもあるのかもしれない。
第6話では、ジュンギルが死を迎える老人に最大限の敬意を払う形で引導する特別対応を申し出ていたことが描かれた。これが彼の本来の姿であるようにも思える。静かに最期に向かっていく老人に語りかけるジュンギルの姿は、普段感情を見せないからこそ言葉に重みがあり、込み上げてくるものがあった。本当は心があるジュンギルの表と裏をスヒョクは絶妙に演じてくれるだろう。その繊細な演技を見逃さず、引き続き本作を堪能したい。
■配信情報
『明日』
Netflixにて独占配信中
(写真はMBC公式サイトより)