戸次重幸が週7でドラマ枠支える? 『なつぞら』以来の朝ドラ『ちむどんどん』での新鮮さ

戸次重幸が週7でドラマ枠を支える?

 青い海、生い茂る緑に、豊かな食文化。沖縄本島北部のやんばる地域を舞台にした『ちむどんどん』(NHK総合)は、物語の舞台背景も魅力となる作品だ。まだアメリカ統治下の沖縄を描いており、車は右側通行、通貨は米国ドルが使われるなど、現代人にとって馴染みのない沖縄の姿を垣間見ることができる。そんな本作で、我々視聴者の関心でもある沖縄の文化を研究する者がいる。戸次重幸演じる青柳史彦だ。

 青柳は、民俗学を研究する東京の大学教授という役どころ。息子の和彦(田中奏生)と共に研究旅行で暢子(稲垣来泉)の住む村を訪れ、比嘉家と仲を深める。第1週では比嘉家を那覇のレストランに招待し、食べることが大好きな暢子たちを大いに喜ばせた。

 戸次は現在、週6(土曜日は1週間の振り返り)の朝ドラに加え、毎週日曜日の『仮面ライダーリバイス』(テレビ朝日系)にも出演中。ほぼ週7で日本の午前放送のドラマ枠を支えていると言っても過言ではない。

 さらに2021年10月期、2022年1月期と、ゴールデン帯ドラマに立て続けにレギュラー出演を果たしたばかり。『SUPER RICH』(フジテレビ系)では会社の金を勝手に使って共同経営者(江口のりこ)を裏切り、それでもなお情に訴え金の無心をする“クズ男”を演じた。だが一転、『ファイトソング』(TBS系)では、登場人物みんなの心の拠り所のような存在として現れ、幅広い役で作品を盛り上げる。ユーモアのある芝居をやらせれば視聴者を笑顔にすることができ、いじられ役となれば徹底していじられる。実は男前な戸次だが、“かっこよさを武器にしない芝居”でもインパクトを残せる実力を持っているのだ。

 そして「戸次と朝ドラ」といえば忘れられないのが、第100作目のNHK連続テレビ小説『なつぞら』での山田正治役だろう。開拓団として東京から移住してきたものの、北海道の荒れ地に手を焼き、多大なる苦労を強いられるというのが正治のキャラクター。貧困暮らしの中にも家族を深く愛し、農業をあきらめない粘り強さを真摯に演じた戸次の姿は今も目に焼き付いている。

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