なにわ男子 西畑大吾こそが真の救世主!? 『KAPPEI カッペイ』にみるツッコミ力

なにわ男子 西畑大吾、演技派アイドルで躍進

 本作で入間啓太は終末の戦士たちにぞんざいに扱われつつも、何だかんだ彼らから懐かれていたことが伝わってきた。そしてそれは西畑自身にも通じるように感じる。舞台挨拶では、伊藤ら先輩俳優陣に愛あるいじりをされていた西畑(※2)。現場でも監督や先輩俳優らから信頼され、愛されていたことが彼らの言動から伺える。

 なにわ男子の楽曲「Seven Stars」の歌詞に「堺が生んだ演技派アイドル」という言葉がある。というのも西畑は、デビュー前の関西ジャニーズJr.時代にもかかわらず、連続テレビ小説『ごちそうさん』(2014年/NHK総合)に、杏演じるめ以子の次男・活男役でテレビドラマ初出演を果たし、当時、演技経験が浅いにもかかわらず高い評価を受けた。そしてその2年後に、またも連続テレビ小説『あさが来た』(2016年/NHK総合)で、宮崎あおい演じるはつの次男・養之助役に異例の抜擢。順調にエリート役者道を突き進んでいるのだ。

 また警察学校の学生役として出演したドラマ『教場』(2020年/フジテレビ系)では、人たらしで生徒に何でも提供する調達屋の樫村卓実役を演じ、その裏表が激しい役柄を見事に表現。人懐っこいニコニコ笑顔と冷たいサイコパスの狂気じみた笑いという二面性で、視聴者に戦慄を与えた。その際の表情がスッと切り替わる瞬間と、目でみせる芝居は鮮烈で、その真っ暗な目に吸い込まれそうでゾッとしたのを今でも覚えている。

 入間啓太や樫村卓実をはじめ、どんな役柄でも器用にこなす西畑。天性の才能と地道な努力、そして持ち前の愛らしさと知力で、これからさまざまな作品の“救世主”となっていくことだろう。そして、「堺が生んだ演技派アイドル」が、大阪の代表となり、関西の代表となって、ゆくゆくは日本の代表に……アイドルとして、そして役者として、世界に羽ばたいていく日もそう遠くはないかもしれない。

参照
1.『KAPPEI カッペイ』平野隆監督に生インタビュー|シネマトゥデイ・ライブ
https://youtu.be/knuld-vnEiU
2.「KAPPEI」救世主は西畑大吾!? 伊藤英明&古田新太が「大河とか朝ドラに出て」とべた褒め
https://eiga.com/news/20220318/21/

※宮崎あおいの「崎」は「たつさき」が正式表記。

■公開情報
『KAPPEI カッペイ』
全国東宝系にて公開中
出演:伊藤英明、上白石萌歌、西畑大吾(なにわ男子)、大貫勇輔、古田新太、森永悠希、浅川梨奈、倉悠貴、橋本じゅん、森永悠希、鈴木福、かなで(3時のヒロイン)、岡崎体育、山本耕史、小澤征悦
原作:若杉公徳(『KAPPEI』白泉社・ヤングアニマルコミックス)
監督:平野隆
脚本:徳永友一
音楽:遠藤浩二
主題歌:西川貴教 featuring ももいろクローバーZ「鉄血†Gravity」(EPIC レコードジャパン)(作詞:エンドケイプ、作曲:ゆよゆっぺ)
制作プロダクション:ダブ
配給:東宝
製作:映画「KAPPEI」製作委員会
(c)2022 映画『KAPPEI』製作委員会 (c)若杉公徳/白泉社(ヤングアニマルコミックス)
公式サイト:https://kappei-movie.jp/
公式Twitter:kappei_movie

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