『進撃の巨人』回想で明かされたエレンから仲間への“愛” 2023年完結編放送のサプライズも

 1クールに渡って放送されたTVアニメ『進撃の巨人 The Final Season Part 2』の第87話「人類の夜明け」が放送され、最終回を迎えた。エレンが地ならしに至るまでの経緯が回想で明かされ、変わらない仲間への“愛”が再確認された。

進撃の巨人

 マーレを初めて訪れた調査兵団の面々。みんなが初めての文化に触れて浮かれているなか、サシャが見知らぬ少年に財布を盗まれたところをリヴァイが発見する。それを見ていた周りの大人たちが少年を「ユミルの民」かもしれないと罰を与えようとするが、すかさずにリヴァイは機転を利かせて少年を助けることを決めたのだった。この少年は後に難民キャンプの住人として登場し、今後のシーンにも絡んでくる人物だ。

 場面は変わり、本来の目的であるアズマビト家の元へ行き、そこでマーレとの友好関係を築き、和平を締結することは難しいことを告げられる。しかし、その道が絶たれるのであればジークの謀略に加担するしかエルディアを救う方法はないのも事実。そこでハンジは国際討論会に登壇する「ユミルの民保護団体」に一縷の望みをかけるのだった。

 アズマビト家との話し合いの間姿を消したエレンは、市場の少年が住んでいる難民キャンプを訪れていた。戦争で居場所をなくした人たちが集まる難民キャンプにエレンはかつて自らが置かれていた境遇を重ね合わせる。未来を知っているエレンから放たれた「まだ何も」という言葉が意味するのは、これからここで起こる結末を予期しての言葉だと思うと胸が痛い。

 ここでエレンはミカサに「お前はどうしてオレのことを気にかけてくれるんだ?」「オレはお前の何だ?」と問いかける。すでにことの結末を知っているエレンはミカサの言葉に何を期待したのだろうか。ミカサは頬を赤らめながら「家族……」と答えるのだった。

 そこに現れた老人はエレンたちをもてなしたいと声をかけてきて、調査兵団のみんなを交えて大宴会が開催。シリアスな展開が続いていただけに、争いを忘れ、つかの間の休息を楽しむ姿がとても新鮮にすら感じた。その一方で、この経験を踏まえた上で「地ならし」によって難民キャンプが危うい状態にあると知った彼らの気持ちを思うといたたまれない気持ちになってしまうのも事実だ。

 国際討論会において始まった「ユミルの民保護団体」の演説。しかし、そこで発せられた内容はパラディ島のエルディア人を「島の悪魔」だと罵るもので、ハンジが期待していたものではなかった。もはや和平という道は残されていないと知り、エレンは調査兵団を自らの意志で去り、ジークに全てを委ねるという内容の手紙を残していった。これが『The Final Season』の最初に描かれたエレンによるマーレ強襲に至る経緯である。

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