武田梨奈が語る、現在の映画にはない80年代映画の魅力 「古いものほど新しいなと思う」

武田梨奈が語る、80年代映画の魅力

 俳優で日本を代表するアクションスターの武田梨奈。空手の黒帯有段者という特技を活かし、国際的な活躍を見せる一方、現在Season6が放送中の主演ドラマ『ワカコ酒』(BSテレ東)では、仕事帰りや休日に一人飲みを楽しむ会社員という等身大の役柄で人気を博している。

 そんな武田は、以前から“一番好きな映画”として『グーニーズ』(1985年)の名前を挙げている。1991年生まれの武田が、なぜ80年代の映画を好きになったのか。その出会いや、現在の映画にはない80年代映画の魅力を聞いた。

子供たちが自分たちの力だけで何かを成し遂げていく

――武田さんが、80年代の映画を観るようになったきっかけは何だったのでしょう?

武田梨奈(以下、武田)子供の頃、翌日に学校がない週末は夜ふかしをしてもいいという我が家のルールがあって、その時に家族で観ていたのが、主に80年代の映画だったんです。中でも『グーニーズ』は父のお気に入りの映画だったのですが、当時から今までずっと大好きな作品です。もし、あの時『グーニーズ』を観ていなかったら、映画の世界に興味を持っていなかったかもしれないくらい、強烈な影響を受けた作品ですね。

『グーニーズ』(c)Warner Bros. Entertainment Inc.

――『グーニーズ』で好きなキャラクターはいますか?

武田:データ(キー・ホイ・クァン)という中国系の男の子が好きです。手探りで発明をするところがチャーミングでかわいらしいですし、ハリウッド映画のメインキャラクターとしてアジア人が活躍していることが、幼心にとてもかっこよく見えたんです。同じ時期に観た『ベスト・キッド』(1984年)にも日系のミヤギさん(ノリユキ・パット・モリタ)が出ていて、私自身も空手を習っていたので、刺激を受けました。

――『グーニーズ』には数多くのキャラクターが登場しますが、全員の設定が秀逸ですよね。

武田:他の作品を観ていても、「この役はマイクだよね」「この子はチャンクっぽいな」と照らし合わせることができるくらい、あらゆる要素が詰まっている気がします。いじられキャラがいて、かっこつけたがりの子がいて、純粋でまっすぐな子がいて、でもひとつの仲間になっている。そのバランスもいいですよね。

――今でも80年代の映画を見返すことはありますか?

武田:『グーニーズ』はもう何回も観ています。ちょっと疲れた時に観ると、自分の夢を見つめ直すきっかけを与えてくれるんです。子供の頃に好きだった映画って、大人になると見方が変わっていることも多いと思うんですけど、『グーニーズ』に関しては本当に変わらなくて。当時と同じ感覚で観られるのが、魅力だなと思います。

――名作として色褪せない理由はどこにあると思いますか?

武田:今は便利な世の中だからこそ、人と正面から向き合う機会が少なくなっていると思うんです。逆に、80年代にはスマホのような便利な道具がなかった分、友達と交流する手段がすべてアナログですよね。だから、『グーニーズ』や『ベスト・キッド』を観ていると、人と人、心と心がちゃんとぶつかっているな、という印象を受けます。あとは、子供たちの成長が描かれているのも魅力の一つだと思います。80年代を舞台にしたNetflixのドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(2016年〜)も大好きな作品の一つなのですが、『グーニーズ』との共通点としては、世界観は壮大でも、あくまでも子供たちの住んでいる町の中で物語が進んでいくんですよね。小さい空間の中でも、人生に関わるような大きな経験ができる、というテーマが素敵だなと思います。

ストレンジャー・シングス 未知の世界
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(c)Netflix

――80年代映画だけではなく、『ストレンジャー・シングス』のような作品もチェックしているんですね。

武田:『ストレンジャー・シングス』は、シーズン3まで一気見しました。グッズも購入して、部屋にポスターを貼ったり、Tシャツを集めたりしています(笑)。ほかにも、『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017年)や『シング・ストリート 未来へのうた』(2016年)のような、80年代が舞台になっている作品は気になってチェックしちゃいますね。『IT/イット』の冒険や、『シング・ストリート』で主人公が組むバンドもそうですが、子供たちが自分たちの力だけで何かを成し遂げていくというストーリーは、今の時代が舞台だと同じようにはならない気がします。

『シング・ストリート 未来へのうた』(c)2015 Cosmo Films Limited. All Rights Reserved

ーー『シング・ストリート』は、MVを撮るシーンも手作り感満載でいいですよね。

武田:ファッションもまたおしゃれなんですよね。今観ると、当時のファッションがすごく新鮮に感じられて真似したくなります。私は雑誌よりも映画を観て、ファッションを取り入れることが多いので、古着屋さんで80年代当時の学生が着ていたジャージを買ったこともあるんです。

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