安達祐実、3度目の朝ドラは転換点に 『カムカムエヴリバディ』すみれ役は現実に通じる?

安達祐実、3度目の朝ドラは転換点の予感

 NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で、女優の美咲すみれを演じる安達祐実が今週から本格的に登場。これまで劇中劇の短いシーンでの出演にもかかわらず、昔と変わらぬ姿に「奇跡の40歳」とネット上で早くも話題となっていた安達が、これからどんな波乱を巻き越すのか。そこで、安達の近年の演技を振り返り、今作での活躍を考察してみたい。

 今作は、昭和・平成・令和の時代に、「NHKのラジオ英語講座」とともに歩んだ3世代のヒロイン(上白石萌音・深津絵里・川栄李奈)が紡いでいく100年のファミリーヒストリー。現在は京都を舞台にした「ひなた編」に。高校3年生になっても進路や目標が見つからない大月ひなた(川栄李奈)は、昔から時代劇が好きで、今でも何かあると気晴らしに足を運ぶ条映太秦映画村で「ミス条映コンテスト」の募集を発見。コンテストに応募したのがきっかけで、女優の道を志すというのが今週の展開。安達演じるすみれは、ひなたと父・錠一郎(オダギリジョー)が大好きな桃山剣之介のヒット時代劇『棗黍之丞シリーズ』に出演し人気を博した女優で、ひなたにとって憧れの存在。ただ、思いがけず出会ったすみれは、機嫌が悪く、芸能界の荒波のなかで、何やらこじらせているらしいという役どころだ。

 近年の安達は『警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~』シリーズ(テレビ東京系)での、常に毒舌だが困ったときは頼りになる姉御肌の事務員役や、『海月姫』(フジテレビ系)での、自分の変わらないビジュアルを活かした年齢不詳のオタク女子役など、安達ならではの特性を活かすことで、主演・ヒロインのみでなく、名バイプレイヤーぶりを見せるようになる。

 2020年の『捨ててよ、安達さん。』(テレビ東京系)では本人役を演じ、素の安達を出したようなゆるい演技を見せるも、最終回のリアルに母と子という安達の心の中に踏み入れた内容で、最後に号泣するシーンは演技を超えた、“安達にしかできない演技”を証明したと言える。近年は、自分のキャラを受け入れ、あえて幼いキャラを演じたり、変わらないルックスを逆手にとった毒舌キャラなど“女優・安達祐実”を自由自在に操るようになったのではないか。そこに確かな演技力があるからこそ、期待を裏切らない。

 朝ドラには3回目の出演で、子役全盛期の『ひまわり』以来26年ぶりとなる。物語は、ひなたのコンテストでの活躍を見た、斬られ役として一目を置かれる大部屋俳優の虚無蔵(松重豊)がスカウトにやってきて、条映太秦映画村で働くことに。そこから女優になるのかはまだ分からないが、『おちょやん』で杉咲花の演劇の師匠となる若村麻由美のように、すみれがひなたの師匠となり、様々な厳しい注文をつけて、今まで挫折ばかりだったひなたを心を鍛えていくという展開になれば面白く、ひなたの負けん気の強い性格から、すみれのワガママっぷりを手なづけるという展開もありそうだ。

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