佐々木希、朝ドラ&主演ドラマで自立した女性を体現 媚びない自然発生的な“かわいさ”

佐々木希、朝ドラ&主演で自立した女性を体現

 なんだか憎めない、隙がありつつ自立している女性像を演じることが続いているのが佐々木希だ。

 朝ドラ初出演となる『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)では、錠一郎(オダギリジョー)の才能を見出し引き受ける芸能事務所の社長令嬢・笹川奈々役を務め、まさに“天真爛漫”という言葉がピッタリな可憐な女性を愛嬌たっぷりに演じた。ヒロインのるい(深津絵里)とは異なり、相手の顔色を伺うことなく思ったことをそのまま口に出せる無防備さが奈々にはある。言葉にせずとも、相手が自分を受け入れてくれないなんて可能性をこれまでつゆとも加味せずに生きてこられた彼女の恵まれた境遇が自然と立ち上がり、自ずとるいとの対比が浮き彫りになった。そもそも、相手に受け入れられるかどうかよりも奈々は“自分軸”で生きている人に思える。

 主演を務める『ユーチューバーに娘はやらん!』(テレビ東京系)では、秋元康企画・原作のラブコメに挑戦中だ。結婚式当日に新郎から逃げられて前代未聞の“ソロ披露宴”に臨む主人公・千紗役を体当たりで演じている。かわいそうとも言えるし惨事には違いないが、堂々とは笑い飛ばせない切実さも懸命さもあるし、どこか“触れてはいけない感”もある。でも、それこそがリアルだろう。

 ただ、千紗は最初から自分の幸せを他力本願で他人任せにしていないところに好感が持てるし、思いもかけぬ予想外の出来事に見舞われ、その都度揺れ動きながらも今取り得る最大限の選択肢を自力で選び取ろうとしているところに、なんとなく佐々木自身の持つ秘めたしなやかな強さが重なる。言い訳もしないし、ぐちぐちと後悔ばかりしない。安易には“かわいそう、気の毒”なんて言葉を寄せ付けないし、滑稽かもしれないが決して“惨め”ではない。そんな千紗の芯の強さがあったからこそ、瞬く間に新たな恋の扉が開くのも納得できる。

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