『ドクターホワイト』高橋文哉が若手医師の成長を体現 白夜は悲しみの意味を知る
今作が医師役は初挑戦の高橋文哉にとって、研修医という立場で恩師を救おうと奮闘する佐久間は、浜辺演じる白夜が劇中で人間らしい感情を学び、成長する過程との対比もあって、決して簡単な役ではなかったはず。それにもかかわらず、終始強度の高い表現で、振れ幅の大きい若手医師の成長を画面に刻んだ。『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)で主演を務めたのち、『先生を消す方程式。』(テレビ朝日系)や『着飾る恋には理由があって』(TBS系)など話題作を経て、『最愛』(TBS系)の朝宮優役で、吉高由里子、松下洸平らと極上のアンサンブルを奏でたことは記憶に新しい。
『最愛』では屈託を抱えた青年の陰影を、歳の離れた姉に対して時に甘えた顔を見せる姉弟の関係性を踏まえて繊細なタッチで演じたが、担任を消そうとする冷徹で腹黒い高校生や今作の新米研修医など、その時々で役の背景を的確につかんだ上、確立したキャラクターとして体現する様子を見るにつけ、今後の活躍に期待が高まる。佐久間が直面したのは、医師として受け入れなくてはならない過酷な現実だったが、その相手が鳥羽という恩師だったことは、佐久間にとってかけがえのない経験だったのではないか。そんな含蓄さえ感じさせる好演だった。
いよいよキャラが『SUITS/スーツ』シリーズ(フジテレビ系)の蟹江化してきた真壁や、真壁が知遇を得た実業家の海江田(石橋凌)はドラマの進行上どのように絡んでくるのか? 白夜を連れ戻しに来た人物の正体や勇気(毎熊克哉)が指名手配されるなど謎が深まる中、予断を許さない展開が続きそうだ。
■放送情報
『ドクターホワイト』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00〜放送
出演:浜辺美波、柄本佑、瀧本美織、岡崎紗絵、片桐仁、高橋努、高橋文哉、勝地涼、宮田俊哉、毎熊克哉、小手伸也、石坂浩二
原作:樹林伸『ドクター・ホワイト千里眼のカルテ』(角川文庫)、『ドクター・ホワイト神の診断』(角川文庫)
脚本:小峯裕之
演出:城宝秀則、河野圭太、北坊信一
音楽:福廣秀一朗
主題歌:Ado「心という名の不可解」作詞作編曲:まふまふ (ユニバーサル ミュージック)
プロデューサー:河西秀幸、小林宙
制作:カンテレ、共同テレビ
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/dr_white/
公式Twitter:@dr_white2022
公式Instagram:@dr_white2022