高橋文哉が猛スピードで広げる演技の幅 『最愛』弟・優役の“憂い”と“儚さ”
「ごめんな姉ちゃん」「一生会わんつもりやった」
最愛の弟・優(高橋文哉)との再会は、おそらく梨央(吉高由里子)が望んでいた形では叶わなかった。
金曜ドラマ『最愛』(TBS系)の第4話にしてようやく視聴者に正体を明かした“情報屋”こと朝宮優を演じるのは、高橋文哉。高校生のときに「男子高生ミスターコン2017」で1万人の中からグランプリを獲得し、若手俳優の登竜門である『仮面ライダーゼロワン』(テレビ朝日系)にて主演を勝ち取る。2021年には出演した3作の映画が公開となったほか、地上波・Web合わせて8作のドラマに出演と、引っ張りだこの俳優である。
『仮面ライダーゼロワン』制作発表時に高橋へのインタビュー(参考:『仮面ライダーゼロワン』主役に抜擢! 高橋文哉が語る、オーディションの裏側と1年後の自分の姿)を担当したライターのnakamura omame氏は、当時の驚いたという印象を語る。
「『本当に新人なのか!?』と驚くくらい受け答えが上手で。作品が始まってみると、今度はその演技力に驚かされたのを覚えています。特撮ものは、主人公を演じる役者さんの初々しい姿にはじまり、1年をかけて役者として成長していく姿を見るのも楽しみのひとつなのですが、高橋さんの場合は最初から“表現すること”がわかっている方なんだなと。売れないお笑い芸人から闇堕ちまで、難しい役柄を、18歳という若さも武器にイキイキと演じられていました。取材時のやり取り同様、自分が求められていることを理解する力があるからこその表現力なのかなと感じました」
また、『仮面ライダーゼロワン』後に出演した作品でも、独特な存在感があったと続ける。
「『仮面ライダーゼロワン』直後に放送された『先生を消す方程式。』(テレビ朝日系)ではサイコなキャラクターへと一気に振り切り、続く『夢中さ、きみに。』(MBS/TBS)では“逆・高校デビュー”を果たした高校生として、普段の彼とはかけ離れた不気味なオーラを放っていました。一方、『着飾る恋には理由があって』(TBS系)では甘え上手なフレッシュマン役で女性のハートを鷲掴み。また『うきわ ―友達以上、不倫未満―』(テレビ東京系)で演じたクリーニング屋のアルバイト役には、ちょっとした一言でドラマの空気感を変えるような不思議な存在感がありました。学園ドラマが続いてもおかしくない年齢ですが、“バラバラ”ともいえる役どころに次々と挑み、猛スピードで演技の幅を広げているように思います」