『鎌倉殿の13人』小栗旬の義時がどんどん魅力的に 4年7カ月にも及ぶ源平合戦の始まり

『鎌倉殿の13人』源平合戦の始まり

 また、第4回は大泉洋演じる頼朝の打算的な振る舞いも面白かった。義時の苦言に納得した頼朝は感情豊かに表情を一変させ、坂東の武士たちの手を握ると「今まで黙っておったが、わしが一番頼りにしてるのは実はお前なのだ」と声をかけ、涙を浮かべて抱き合う。義時には「嘘も誠心誠意つけば、まことになるのだ」と平然として言う。このギャップが魅力的だ。

 第4回はコメディ要素も強かった。武士たちの集まりが悪いと知った頼朝は「ちょっと……ちょっといいかな」と困惑する。モゴモゴした声で聞き取りにくい佐々木秀義(康すおん)とのやりとりには笑ってしまう。後白河法皇(西田敏行)による金縛りも再来。今回の後白河法皇は頼朝の頬を静かにはたいていた。そんな後白河法皇もまた、頼朝と同じように「おぬししか、おらんのだ」と声をかけてくる。「日本一の大天狗」と言われる後白河法皇のこの台詞は皮肉が効いていた。

 源平合戦の幕開けだが、権力の座を巡るパワーゲームは、まだ始まったばかりである。

■放送情報
『鎌倉殿の13人』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアム、BS4Kにて、毎週日曜18:00~放送
主演:小栗旬
脚本:三谷幸喜
制作統括:清水拓哉、尾崎裕和
演出:吉田照幸、末永創、保坂慶太、安藤大佑
プロデューサー:長谷知記、大越大士、吉岡和彦、川口俊介
写真提供=NHK

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