トム・ホランド、ベネディクト・カンバーバッチの演技に「本当に嫌いになった」

トムホ、カンバーバッチの演技で嫌いに?

 トム・ホランドとベネディクト・カンバーバッチは、それぞれMCUのスパイダーマン役とドクター・ストレンジ役を演じ、現在公開中の映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でも共演しており、お互いのことをよく知る仲である。

 そんなホランドとカンバーバッチが、先日Netflixが公開した動画の中で、カンバーバッチ主演映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』について語った。

In Conversation | Benedict Cumberbatch on The Power of the Dog with Tom Holland | Netflix

 Netflixオリジナル映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は、1967年に出版されたトーマス・サヴェージの同名小説を実写化した映画で、ジェーン・カンピオンが監督を務めた作品。1920年代のアメリカ・モンタナ州を舞台とし、大牧場を経営する兄弟、フィル・バーバンク(ベネディクト・カンバーバッチ)とジョージ・バーバンク(ジェシー・プレモンス)を中心に、複雑な人間関係が描かれた物語であり、第79回ゴールデングローブ賞の作品賞や監督賞をはじめとする数々の賞を受賞している。

 カンバーバッチは以前、The Hollywood Reporterのインタビューで、役作りを徹底するために、撮影期間中は6日間ほど洗濯をしなかったことや、撮影現場に向かうときはジョニー・グリーンウッドの曲を聴いていたことなど、役作りを徹底していたことを明かしている。

パワー・オブ・ザ・ドッグ
『パワー・オブ・ザ・ドッグ』Netflixにて配信中

 動画では、ホランドが本作についての自身の感想を述べつつ、カンバーバッチに質問しながら役作りや挑戦などについて語っている。

 ホランドは本作について、「この映画は息をのむほど素晴らしかった。とても衝撃的で胸が張り裂けそうになりましたが、こんなにも複雑さをもったキャラクターは見たことがありません」と感想を述べ、「映画の冒頭であなた(カンバーバッチ)を見たとき、『お? 僕が知っているベネディクトとは違う、どうなっているんだ?』と。あなたを知ってからはじめて、本当にあなたを嫌いになりました。(劇中のカンバーバッチは、)恐ろしく、グロテスクで、ひどい人でした。また、物語が進むにつれて、私が気に入った部分は、トキシック・マスキュリニティ(Toxic masculinity)やガスライティング(Gaslighting)といったテーマを、ただ問題があるとするのではなく、問題について探っている点です。彼(フィル・バーバンク)の行動が(必ずしも)正当化されるわけではありませんが、なぜ彼がそのような人間となったのか理解できるのです」と、よく知る間柄だからこそ感じたカンバーバッチの姿と、役柄の複雑さについて語った。

 カンバーバッチは、映画を観た視聴者からの感想はさまざまであったことを明かし、「(映画を全部観ることができないほどフィルという)役柄に対して嫌悪感を抱いた人」や、「(フィルに対し)最初は嫌悪感を抱いていたものの、次第に彼の本当の姿を見ようとした人」がいることを語った。

 また、カンバーバッチは本作について、「この作品では、内側から外側へ向かっていく感じがありました。まず、原作に関しては、キャラクターと、身体的特徴について素晴らしい構想となっており、このキャラクターがどのような人物なのか、視覚的に、詳細に理解できるのです」と説明し、「衣装のフィッティングをした瞬間から、(何かが)外から入ってくるように感じました。衣装デザイナーのカースティ・キャメロンは、素晴らしい人でした。私はこのオーバーオール、ビブスのために戦いました。みんなは『ヒーローらしくない』と言いますが、私は“本物だ”と思いました。これを着なければならず、着る必要があるのだと(思いました)」と、衣装の重要さについても語った。

 また、フィルの送った人生を(身をもって)体験する必要があると思い、アメリカ・モンタナ州へ行ったカンバーバッチは、「土、泥、汗、匂い、体臭、血、肉体、それら全てが本物でなければならなかったのです」「ランディという素晴らしいカウボーイと、彼の妻ジェンと一緒に牧場に行きました。彼らに、地元の部族が、世界の中枢とも呼ぶ、素晴らしい平地の草原にある自作農園(邸宅)に連れて行ってもらいましたが、本当に素晴らしいものでした。また、モンタナ州にある2つの異なる牧場にも連れて行ってもらい、焼き印押しや牛の放牧(群れを集める)を体験しました。そして、ロープや編み込みについても教えてもらい、馬の乗り方についても、英国人騎手として私の誤りについて、教えてくれました。私は、(それらを)生業としている彼らを見て、そこから、(さまざまなことを)学びました」と、自身の体験を振り返った。

 また、本作で、未亡人ローズ・ゴードン(キルスティン・ダンスト)の息子、ピーター・ゴードンを演じたコディ・スミット=マクフィーについて、「コディとの仕事はまさに夢にようで、その関係性がより親密なものでしたので、コディとはある意味ずっと同じ視点でいられることができました」「常にキャラクターとしての関係性でいるのではなく、俳優としてお互いを励まし合っていました。私たちはとても笑い上戸なので、撮影現場でもよく笑いあっていたので、その瞬間の重厚感(緊張感)が損なわれてしまうこともあったかもしれませんが、私たちは(真面目に)一生懸命取り組んでいました」と、振り返った。

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(c)2021 CTMG. (c)& TM 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

 そして『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が大成功を収めた今、カンバーバッチは、動画の最後で、共に時を過ごしてきたホランドに対し、「友人として、また、あなた(ホランド)が体験していることを(共に)体験している身であることは、かけがえのないことだと思います。『スパイダーマン』の一部を共有し、実現できたこと、また、そのほかの作品でも一緒に仕事ができたことを嬉しく思います」「あなたは、すでに多くのことを成し遂げているので、まだ(これからの人生が)始まったばかりだと思うと、とても驚きです」とホランドへの感謝を述べ、称えた。

 カンバーバッチの言葉に対しホランドは、「ありがとうございます、光栄です。正直言ってこの映画には本当に圧倒されました。あなた(カンバーバッチ)のことをよく知っているので、どれほど素晴らしい俳優であるか言うまでもありませんが、この映画は本当に素晴らしいです」と、お互いに称え合うのだった。

参考記事

Tom Holland Gushes Over Benedict Cumberbatch’s Convincing Turn as Villain in ‘Power of the Dog’: “I Really Hated You”|THE HOLLYWOOD COMPANY

■公開情報
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』
全国公開中
監督:ジョン・ワッツ
脚本:クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ
製作:ケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカル
出演:トム・ホランド、ゼンデイヤ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジョン・ファヴロー、ジェイコブ・バタロン、マリサ・トメイ、アルフレッド・モリーナ、ウィレム・デフォー、ジェイミー・フォックス
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
原題:Spider-Man: No Way Home
(c)2021 CTMG. (c)& TM 2021 MARVEL. All Rights Reserved.
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