『クライ・マッチョ』少年ラフォ役エドゥアルド・ミネットがイーストウッドから学んだこと
『許されざる者』(1992年)、『ミリオンダラー・ベイビー』(2004年)、『グラン・トリノ』(2008年)、『アメリカン・スナイパー』(2014年)、『運び屋』(2018年)など、数々の名作を手がけてきたクリント・イーストウッド。そんな彼の監督デビュー50周年記念作品となる最新作『クライ・マッチョ』は、イーストウッド自身がかつてロデオ界のスターだったマイク・マイロを演じている。
落馬の事故以来、数々の試練を乗り越えながら、今は孤独な独り暮らしを送っているマイク。ある日、マイクは元雇い主から別れた妻に引き取られている10代の息子ラフォをメキシコから連れ戻してほしいという依頼を受けるーー。
メキシコ警察や母が放った追手たちが迫る中、イーストウッド演じるマイクと米国境を目指す少年ラフォという重要な役を担ったのは、現在15歳の新鋭・エドゥアルド・ミネット。オーディションで大役を勝ち取ったという彼にリモートインタビューを行い、撮影までの流れやイーストウッドから学んだことについて話を聞いた。
「ものすごく意義深い体験になりました」
ーークリント・イーストウッド監督のデビュー50周年記念作品ということで話題になっている『クライ・マッチョ』。そちらの反響はどうですか?
エドゥアルド・ミネット(以下、ミネット):僕が住むラテン・アメリカでは、まずクリント・イーストウッドの乗馬姿をまた見られるということで大きな話題になっています。あとはやっぱり、ラテン・アメリカの文化を描き、ラテン・アメリカの役者を起用しているので、そこが反響を呼んでいますね。僕にも反響はかなり届いています。InstagramなどのSNSを通じて、「グッジョブ!」というような言葉をたくさんいただいているので、とても嬉しく感じています。
ーー家族や友人なども喜んでいますか?
ミネット:すごく喜んでくれています。僕も家族と友人を連れて映画館に観に行ったんですが、スクリーンに映っている僕の姿を見てすごくエキサイトしてくれました。みんな映画が公開されるまで「待ちきれないよ!」と相当首を長くして待ってくれていたんですが、家族や友人など愛する人たちと一緒にこの作品を映画館で観ることができたのは、ものすごく意義深い体験になりました。
ーーミネットさんは現在15歳ということですが、俳優としてのこれまでの経歴について教えてください。
ミネット:もともと、メキシコでは割と有名な演技学校に通っていたんです。そこでたまたまキャスティングがあって、6歳のときに初めて短編映画に出演しました。そのとき初めてカメラの前で演技をしたのですが、監督や他の俳優の人たちと一緒に作品を作るという体験がものすごく楽しくて、俳優業に恋に落ちました。監督やプロデューサーや共演者の方たちと話をするのもすごく楽しくて、この仕事が本当に大好きになりました。
ーー『クライ・マッチョ』は初めてのハリウッド大作になると思うのですが、どういう経緯で出演することになったんですか?
ミネット:この作品のキャスティングがあったのは約1年前の2020年10月頃で、最初にマネージャーから話を聞きました。どういう役か、その詳細を見てみたら、なんとクリント・イーストウッドの映画で、しかもメインキャストと書いてありました。そんな大きな作品は滅多にないことなので、僕も非常に驚いたのですが、チャンスだと思ってとにかくそのオーディションを受けることにしました。オーディションは映画の中から2つのシーンを演じて、その様子を自分でビデオに撮って送るという形式でした。送った後、1カ月後にワーナー・ブラザースから合格の知らせを受けたんです。本当に嬉しかったですね。そこから脚本をいただいて、演技コーチと一緒に役作りの準備に入ったので、本当にあっという間の流れでした。