『ムチャブリ!』高畑充希演じる雛子がやけにリアル 職場の誰かを重ねずにはいられない

『ムチャブリ!』高畑充希のリアルな30歳

 突然の子会社社長抜擢、しかもその通達は社外向けの新事業発表会。全くの異業種である外食産業に新規参入するために、老舗フレンチレストランの買収の話までもうまとめられており、1カ月後にはそのリニューアルオープン、さらに将来的には全国展開に乗り出すという怒涛の無茶振りの連続が描かれた『ムチャブリ! わたしが社⻑になるなんて』(日本テレビ系)第1話。

 無茶振りを仕掛けたのは、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長し続けるベンチャー企業「リレーション・ゲート」のカリスマ社長・浅海寛人(松田翔太)、仕掛けられたのはその秘書を務める高梨雛子(高畑充希)だ。寝耳に水とは言え、捉え方を変えれば、“選ばれし者”、“エリートコース”にも思えるが、出世欲がなく現状維持派の雛子にとっては青天の霹靂のようだ。

 これまではとにかく浅海の指示通り目の前の仕事をこなし、調整役ばかり担ってきた“社長の伝書鳩”こと雛子が、いきなり人を束ね、進むべき未来や“ありたい姿”を示し共有する必要がある社長というポジションを任されるとは……。

 雛子も勤続年数8年、30歳を迎え、もちろんひらめき型の浅海を日々サポートする秘書業務はさぞかし大変だろうが、そんなに真新しい変化もなければ、大体のことは過去の経験値に則り何とか自分で対処できるだろう。目下の仕事に精を出し忙しくしていれば、たまに頭をもたげる“私、このままでいいのかな?”“私の本当にやりたいことってこれだっけ?”という疑問も直視せずに済む。“仕事も恋も頑張りたい”と目を輝かせていた入社当初の自分はどこへやら、“現実はこんなもん”、“自分はこの程度”と物分かりの良い振りをして、「変われない自分」をやり過ごすことばかり上手くなってしまう。他の誰でもない自分が自分自身に期待できず、その可能性を見切ってしまう。

 浅海いわく「社長の仕事は決断」とのことだが、「決める」ためには「取捨選択」が伴い、そのためには様々な選択肢、可能性とリスクに向き合い、メリットとデメリットを天秤にかけて都度ジャッジする必要がある。“人生停滞気味”という雛子にとっては、これまで放棄し続けてきた作業の連続になるのだろう。

 でも、そんな雛子だからこそ、動かせる人の心、アプローチがあったのだ。「今さら変われねぇんだよ」とリニューアルに反発する老舗フレンチシェフの古賀(神保悟志)の言葉は、優秀で合理的な野心家の若手部下・大牙涼(志尊淳)に思わずこぼした彼女の「わかってるんだよ。わかっててもどうしたら良いかわからない」という本音と重なる。



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