瀧本美織にとってAIとの恋はアリかナシか? イヤードラマ『人工知能の恋』インタビュー

瀧本美織『人工知能の恋』インタビュー

「『her/世界でひとつの彼女』の世界観に通づるものがある」

――脚本を最初に読まれたときの感想をお聞かせください。

瀧本:すごく面白くて。ホアキン・フェニックス主演の『her/世界でひとつの彼女』の世界観に通づるものがあり、初めにそのテーマに惹かれました。あの映画が本当に好きで、結構何回も観ていたので。ただ、『her/世界でひとつの彼女』で描かれた恋愛は切ないのに対し、本作のテーマは“新しい友達を作る”感覚に近いと感じました。なんでも話せるようになって、側にいてくれて嬉しいと思えるようになり、友達になっていく、AIのモナミとのやりとりが面白いです。

――『her/世界でひとつの彼女』でも描かれた、AIが肉体を持っていないがゆえの弊害が本作でも取り沙汰されていましたね。ちなみに、瀧本さんご自身はAIとの恋はアリですか? ナシですか?

瀧本:私はナシですね。今まで、人とずっと関わりながら生きてきたので。家族の温かみとか、人とハグしたときの温かみを感じて生きてくると、やはり温もりを感じられない時点で難しいのかなって思ってしまいます。なので、私だったら最初から友達のような存在になるかと思います。

――普段から、スマートスピーカーなどは使っていますか?

瀧本:いえ、私はほぼ使ってないですね。逆に本作の主人公は身の回りのことをAIのモナミにいろいろ任せるのですが、そこまで人の生活に機械が入り込んでくるということが、ちょっと怖いなと思っちゃいました。暴走してしまうかも、という不安はあります。本作にはそういった形でミステリー的な要素もあったので、なおさら考えてしまいました。

――確かに、友達との会話を盗聴されていた場面もありましたね。

瀧本:あれ、怖いですよね(笑)! 全部知られているじゃんって。なので、本当にやってもらうことは限定して、付き合っていくというか(笑)。「これ以上は踏み込まない!」と、線を引いてしまえばいいのかなと思いました。

――そういう線引きとか、「NO」ってちゃんと言えるタイプですか?

瀧本:本当に嫌なときは言いますね。私は大体のことは、ほぼ“YESウーマン”だと思うんですけど、本当に自分の体が受け付けないときは言うと思います。

――コロナ禍で、物理的にも精神的にも人と距離が生まれたタイミングでしたが、その中でこういった“新しい友達”を作って、心の拠り所にすることについてはどう思いますか?

瀧本:私は、人と人との繋がりが好きなので、できれば人間同士で友達になりたいですが、AIも可愛いところがありますよね(笑)。今はいろいろな種類もあるじゃないですか。なので、気楽な友達みたいな距離感で、いろいろ身の回りのお世話してくれたら本当に楽だなと思います(笑)。「ライト消して」とか「音楽かけて」とか。だから、この主人公のように一人暮らしをしながら日常でスマートスピーカーを使っている方には、特に楽しんでいただけるかもしれないですね。ぜひ、自由に想像しながら聞いていただけると嬉しいです。

■配信情報
『人工知能の恋』(全5話)
NUMAにて、1月3日(月)より配信 毎週月曜新エピソード更新
出演:瀧本美織、橋本淳、北浦愛、和泉ちぬ
脚本:鈴木謙一、笠木泉
演出:平林克理
プロデューサー:松浦順子、依田剛大
サウンドプロデュース:ステップ
音楽・効果・整音:西野公樹
音楽:土谷光
歌唱:阿児万寿美
サウンドコーディネート:成瀬篤志
協力:アクロス エンタテインメント
制作:ダブ
配信URL:https://numa.jp.net/mob/cont/contShw.php?site=NM&cd=DSE00046
予告編:https://youtu.be/u6DpfA5319w

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