木村多江×安藤玉恵の阿佐ヶ谷姉妹も生き続ける “虚構性”が生かされた『のほほん』

『のほほん』最終回を終えて

 阿佐ヶ谷姉妹がパートナーを担当する『大竹まこと ゴールデンラジオ!』(文化放送)の12月13日放送に、木村多江と安藤玉恵が出演した。番組のパーソナリティであり、阿佐ヶ谷姉妹の事務所の先輩である大竹まことは、『のほほんふたり暮らし』というドラマを説明する中で何度も「虚構性」という言葉を使っていたのが印象的であった。

 最終回でも触れられているように、阿佐ヶ谷姉妹は擬似姉妹というところで虚構として成りたっているコンビだ。さらに、エッセーをドラマ化しているとはいえ、そこには様々な虚構が入り混じっている。劇伴を担当した一人の高城晶平が、公式サイトのインタビューで「実際の阿佐ヶ谷を使って、書き割りの阿佐ヶ谷を作ってるっていう感じにすごく面白味を感じて」と語っているように、別の阿佐ヶ谷という虚構を浮かび上がらせていた。そして、木村多江と安藤玉恵が阿佐ヶ谷姉妹を演じていることが何よりの虚構だ。しかし、これを阿佐ヶ谷姉妹が本人役を演じるのはまた違う。虚構の上で、あたかもそこにいるのが阿佐ヶ谷姉妹であると限りなく実像に近づけていることに、このドラマの本質はあると思うのだ。そして、これからも虚構の阿佐ヶ谷姉妹は、のほほんと2人仲良く暮らしていくことだろう。

※「高城晶平」の「高」ははしごだかが正式表記。

■放送情報
よるドラ『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』
NHK総合にて、毎週月曜22:45〜23:15放送(全7回)
原作:阿佐ヶ谷姉妹著『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』
脚本:ふじきみつ彦
音楽:高城晶平(cero)・王舟
出演:木村多江、安藤玉恵、いしのようこ、中川大輔、楠見薫、山脇辰哉、宇崎竜童、研ナオコほか
制作統括:三鬼一希、櫻井壮一
演出:津田温子、堀内裕介、新田真三、佐藤譲
写真提供=NHK

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