小西真奈美「いつやめるの? 不倫」の破壊力 『じゃない方の彼女』突きつけられた現実

『じゃない方の彼女』突きつけられた“現実”

「いつやめるの? 不倫」

 妻・麗(小西真奈美)の反逆が始まった『じゃない方の彼女』(テレビ東京ほか)第10話。

 大学の准教授・雅也(濱田岳)を見送る際に、「帰りは何時頃?」といういつものたわいない質問に織り交ぜて冒頭の問いかけをサラッと盛り込める麗はやはり強い。

 片桐(山崎樹範)の予言通りに、雅也が起きると妻と子供の姿はそこにはなく、代わりにラップがかけられた朝食と、ゴミの出し方や掃除機の使い方がまとめられたノートがテーブルの上に置かれているだけだ。どうやら麗は、第1話の時点で既に雅也の不倫を疑っていたという。

 盆栽教室の後に初めて怜子(山下美月)と食事した直後に、雅也の下手くそな嘘と異様な動揺ぶりからもう異変に気づかれていたなんて、雅也の脇の甘さはもちろんだが、麗はやはり何枚も上手である。しかも、麗はそのことを知ってもすぐに雅也を問いただすこともせず、雅也が黒だとわかった後も「結局マー君を変えたのは私じゃなかったんです」なんてかなり冷静に分析する。目くじらを立てて怒るでもなく、自分や娘のこと以外で頭がいっぱいで楽しそうな夫を送り出す気持ちはいかほどだったのだろうか。

 この状況を母・弘子(YOU)は“愛の中間テスト”だと例える。「妻が夫をどのくらい愛しているのか、夫は妻をどのくらい知っているのか」を試されているのだとし、「2人で答えを出して2人で答え合わせしなきゃ」と雅也と麗それぞれを諭す。ここは珍しく、バーベキューで意気投合していた弘子と片桐の間で意見が一致しなかった部分だ。

 片桐は“一度ついた嘘はつき通せ”と忠告していたが、もうそれで乗り切れる局面ではなさそうだ……。そして、雅也は麗が一度与えてくれた“チャンス”をみすみす見過ごしてしまう。答え合わせするタイミングをせっかく麗が用意してくれたのに「なんでもない」と切り出せずじまいに終わる。これが取り返しのつかない致命傷にならなければいいが……。

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