『青天を衝け』吉沢亮×草なぎ剛は“実在した人物”のよう 制作統括が芝居の変化を語る

『青天を衝け』制作統括・菓子浩インタビュー

予想以上のはまり役となった北大路欣也の徳川家康

ーーストーリーテラー的役割である北大路欣也さん演じる徳川家康は、視聴者からも愛されるキャラクターになりました。

菓子:北大路さんでなければ、ここまで愛される家康になっていなかったと思います。最後まで出てくれたらいいなと大森さんと話をする一方で、大政奉還して江戸時代が終わった後はどうしたらいいだろうと悩んでいました。はっきり決めないまま撮影を進めていく中で、北大路さんから「家康として最後までこの物語を見届けたいんです」とお話をいただいて、すごく感激しました。そもそも幕末に家康が生きていることがフィクションですから、明治になっても出るチャンスはあるんじゃないかと思いました。それからは毎回出ることに無理にこだわらず、どうしても家康に話して欲しいことがあるという時に、満を持してご登場いただこうという発想に切り替えました。家康は、時間が限られている中で、その回の出来事をコンパクトに解説してもらう役柄ですが、北大路さんの説得力だからこそ、みんな腑に落ちるところがあると思います。

ーー栄一の息子で泉澤祐希さんが演じる篤二、孫で笠松将さん演じる敬三は今後の重要な人物です。

菓子:息子の篤二は、偉大すぎる父の隣で渋沢家を継がなければいけないというプレッシャーに押しつぶされてしまう役です。篤二は決してダメな人間ではなく、芸術家肌で素晴らしい写真もたくさん残しています。生きる道が違えばものすごい才能を発揮した人なんだろうなと。泉澤くんは、僕も“朝ドラ”『ひよっこ』の時から非常に信頼していまして、繊細な篤二を演じる上でぜひお願いしたいと早い段階から思っておりました。一方、孫の敬三は学者肌で、栄一から頭を下げられ後継者となり、のちに日銀総裁、大蔵大臣にまでなっていく人物です。物静かだが何か秘めた力を持っている敬三を、これまでの芝居を見ていていいなと思っていた笠松さんにお願いしました。

ーー言える範囲で今後の展開を教えてください。

菓子:最終話は敬三の視点から見た栄一の話になっていきます。物語を栄一だけの話で終わらせるのではなく、次の時代に繋がっていくことを象徴するような役割として敬三が置かれます。他にも、これまでずっと登場してきた喜作や慶喜との別れもしっかりと描かれます。時代が閉じていく物語と、未来に続いていく物語。この2つの軸で最終章は展開されていきます。

■放送情報
大河ドラマ『青天を衝け』
NHK総合にて、毎週日曜20:00~放送
BSプレミアムにて、毎週日曜18:00~放送
BS4Kにて、毎週日曜9:00~放送
出演:吉沢亮、小林薫、和久井映見、村川絵梨、藤野涼子、高良健吾、成海璃子、田辺誠一、満島真之介、岡田健史、橋本愛、平泉成、朝加真由美、竹中直人、渡辺いっけい、津田寛治、草なぎ剛、堤真一、木村佳乃、平田満、玉木宏ほか
作:大森美香
制作統括:菓子浩、福岡利武
演出:黒崎博、村橋直樹、渡辺哲也、田中健二
音楽:佐藤直紀
プロデューサー:板垣麻衣子
広報プロデューサー:藤原敬久
写真提供=NHK

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