吉沢亮、草なぎ剛から受け取った多くの刺激 『青天を衝け』栄一として走り抜けた時間

吉沢亮、『青天を衝け』最終インタビュー

 今年2月にスタートした大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)も残すところ6回。物語はまさにクライマックスを迎えようとしている。

 藍玉づくりと養蚕を営む百姓の家に生まれた栄一(吉沢亮)は、攘夷の志士から一転して、慶喜(草なぎ剛)に仕える幕臣へ。大政奉還によって明治時代に突入すると新政府入りしたかと思えば、実業家として民間にて改革を始めるといった彼の激動の人生が描かれている。

 これからオンエアされるのは、晩年を生きる栄一の姿。思いもよらない家族との別れを経験しながらも、栄一は「日本を守る」という強い意志を胸に挑戦を続けていく。

 このたび、栄一を演じる吉沢亮の取材会が行われた。90歳近くの栄一を演じる上での所作や栄一にとってかけがえのない存在である千代(橋本愛)、これから新たに登場する栄一の家族たち。そして、栄一としても、吉沢亮としても多大なる刺激を与えられた慶喜/草なぎ剛という存在について、クランクアップ直前の吉沢に話を聞いた。(渡辺彰浩)

千代(橋本愛)と喜作(高良健吾)は特別な存在

ーー『青天を衝け』のラストスパートでは、日本の発展のために走り続けた栄一の晩年が描かれていきます。

吉沢亮(以下、吉沢):立場や年齢など、栄一の置かれている状況がどんどん変わっていきます。ですが、彼は何歳になってもずっと情熱を持って、時に空回りしながらもスタイルは変えずに最後まで突っ走っていく。晩年は90歳近くになってきて、年齢を意識しすぎると栄一としてのエネルギーや勢いが落ちていっちゃうので、そのあたりは監督と相談しながら演じていました。話す言葉のスピードとか声質もそうですけど、身体の動きですね。振り返る時に首だけでなく身体全体でいったりして、いい塩梅を探りながらやっています。あんまりおじいちゃんになりすぎてもしょうがないので、あくまでもスタートから続いている栄一のエネルギーを一番に考えている感じです。

ーー第36回では千代(橋本愛)との別れがあります。

吉沢:お千代との別れはつらかったです。ずっと支えてくれていたお千代がこのシーンを撮ったら終わっちゃうんだっていう寂しさとシーン自体の重さで、僕は号泣していました。栄一の父(市郎右衛門/小林薫)と母(ゑい/和久井映見)の死はどちらかというと悲しくはあるんだけど、どこか前向きなものとして捉えていて、人生の美しさだったりその人にいただいたものを自分の中で昇華して前に向いていく、どこかポジティブな要素があったと思うんです。千代の死に関しては急すぎたし、苦しさしかないシーンで。なかなか衝撃的でした。栄一と千代が語っているシーンもすごいよかったですし。物語の始めの方に、栄一が千代にさっきまで見ていた夢の話をするシーンがあって。撮っている時に、僕はあのシーンを思い出していました。

ーー千代が亡くなり、小さな頃から栄一と一緒にいたのは喜作だけになります。演じる高良健吾さんの印象は?

吉沢:高良くんは役として生きることに真摯に向き合っていて、セリフ一つひとつにすごい集中力を感じます。ずっと一緒にやっているから、喜作がいるだけで安心するんですよね。喜作の前では仕事をしている時の栄一とはまた違う、血洗島にいた子供の頃の栄一が出てくる。それは高良くんだったからという部分もあると思うし。栄一を一番近くで支えてくれていたのがお千代と喜作なので、この2人は僕の中で特別ですね。

ーー栄一の子供たちも大きくなり、今後はより家族の時間も濃密になっていきます。

吉沢:栄一は、幼い頃から持っている世の中を変えなきゃいけないという目的に意識がいっている分、意外と目の前のことが見えていないんですよね。家族との付き合い方が本当に不器用で、僕自身もツッコミたくなるような瞬間がけっこうあって(笑)。そんな栄一に振り回される家族が嫌な風に映らなければいいですし、振り回されている人たちも面白おかしく映ればいいなと思っています。

ーー栄一の後妻となる兼子(大島優子)、息子の篤二(泉澤祐希)、孫の敬三(笠松将)はそれぞれ今後の重要なキーマンでもあります。

吉沢:兼子さんはお千代とはまた違う強さがあります。お千代は奥さんであり母性を感じる、栄一が甘えたくなる。まぁ、ずっと甘えてきたんですけど(笑)。逆に、兼子さんは奥さんであるけれど、プライベートの面でも仕事の面でもパートナーとして、対等になんでも相談もするし、いい意味でベタベタもしていない。いい距離感のある夫婦だなと思っていて。お千代と栄一の距離感とは全然違います。

 篤二が一番難しいです。栄一の息子だっていうプレッシャーに押し潰されていく篤二にどう接したらいいのか分からなくなる。自分は子供がいるわけではないので、そこのリアルな感情は分からないんですけど。篤二との距離感は男特有のウジウジした感じがあるなと思いながら(笑)。

 敬三は暴れん坊の栄一を受け止めてくれる優しい男の子。敬三にはわがままを言っちゃってます。



インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる