草なぎ剛、香取慎吾、稲垣吾郎 NHKドラマで新たな輝きを見せる「新しい地図」

NHKで新たな輝きを見せる「新しい地図」

 香取慎吾が太平洋戦争80年・特集ドラマ『倫敦(ロンドン)ノ山本五十六』(NHK総合)に主演することが発表された。香取が演じた歴史上の偉人というと、大河ドラマ『新選組!』(2004年)の局長・近藤勇の印象がいまだに鮮やかである。今回の『山本五十六』は『新選組!』以来17年振りのNHKのドラマ出演になる。香取がNHKドラマに久しぶりに出演することによって新しい地図が始動してから稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾3人全員がNHKドラマに戻ってきたことになった。

 新しい地図とNHKドラマをおさらいしてみよう。稲垣吾郎は2019年に“朝ドラ”こと連続テレビ小説『スカーレット』(NHK 2019年度後期)に医師役で出演、2020年、BSのコズミック フロント☆NEXT『いにしえの天文学者 安倍晴明』で約20年ぶりの安倍晴明役、2021年、よるドラ『きれいのくに』では“トレンド顔”の人物という異色な役柄に扮し、着々と歩を進めている印象がある。

 草なぎ剛は2021年の大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)で演じている“最後の将軍”徳川慶喜役が好評だ。また2021年3月に放送された宮城発地域ドラマ『ペペロンチーノ』では東日本大震災で被害に遭いながらも地元でレストランを再建するオーナーシェフを演じ、作品は第58回ギャラクシー賞テレビ部門奨励賞、第47回放送文化基金最優秀賞を受賞、草彅自身は演技賞を受賞するなどNHKドラマで確実な足跡を残している。

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾と3人とも俳優としての能力は申し分ない。新しい地図として活動をはじめてすぐに公開された映画『クソ野郎と美しき世界 THE BASTARD AND THE BEAUTIFUL WORLD』(2018年)は3人の資質が見事に生かされた秀作であった。その後、3人はその個性を生かした映画や舞台に数多く出演してきた。ざっと挙げておくと、稲垣は、阪本順治監督作『半世界』(2019年)、大林宣彦監督の遺作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』(2020年)、手塚治虫原作の『ばるぼら』(2020年)、舞台『No.9―不滅の旋律―』(2018、2019年)、『サンソンールイ16世の首を刎ねた男―』(2021年)など。

 草なぎは映画『まく子』(2019年)、『台風家族』(2019年)、数々の賞に輝いた『ミッドナイトスワン』(2020年)、舞台『バリーターク』(2018年)、『家族のはなしPART1』(2019、2020年)、音楽劇『アルトゥロ・ウイの興隆』(2020、2021年)など。

 香取は映画『凪待ち』(2019年)、Amazon Originalドラマで三谷幸喜のコメディ『誰かが、見ている』(2020年)、2021年1月、『アノニマス~警視庁“指殺人”対策室』(テレビ東京系)で5年ぶりの連続ドラマで刑事もの。三谷幸喜、作・演出の音楽劇『日本の歴史』(2018、2021年)など。……こうやって振り返っても、一流の映画監督や演出家や脚本家が手掛けたバラエティ豊かな映画や舞台に出演している。

 稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾。3人とも唯一無二の個性がある。なんて今更そんなことを記す必要もないのだが、「新しい地図」として活動をはじめてから、もともとの個性にさらに磨きをかけつつ、アップデートもしている頼もしさを感じる。それは2021年の出演作だけ取り上げても明白だ。

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