『犯人の犯沢さん』『ゼロの日常』アニメ化でさらに広がる『名探偵コナン』の世界

スピンオフで広がる『名探偵コナン』の世界

 そして『ゼロの日常』は『週刊少年サンデー』で連載中の作品をアニメ化したもの。こちらも原案協力を『コナン』作者の青山剛昌が、原作を新井隆広が務めるスピンオフ作品だ。『コナン』の大人気キャラクターであり、『名探偵コナン ゼロの執行人』での活躍も記憶に新しい安室透の日常を描いた作品となる。

 この作品のアニメ化で期待したいのは、安室透というキャラクターをさらに深く掘り下げるストーリーだろう。公安警察、喫茶店でアルバイトする私立探偵、黒の組織のメンバーというトリプルフェイスを持つ安室は『名探偵コナン』本編でも未だに謎の多いキャラクター。本作はそんなミステリアスな安室がどんな日常を過ごしているのか、その一端が描かれる。

 例えば公安警察の一員として悪を断つ姿が描かれたと思えば、次のエピソードでは喫茶店「ポアロ」で働く店員としての姿が描かれる。また“日常”と銘打たれているだけあってか、カレーやラーメン、鯖缶を使った夜食に舌鼓を打つ安室の姿も描かれる。普段はミステリアスな安室だが、この作品ではひとりの青年としての姿を感じることができる。そんな『ゼロの日常』はアニメとなることで声や動きが加わり、より多角的に安室の人間味を感じる作品になることだろう。その一方で、彼の愛車であるRX-7で壁を走ったり、白バイを乗りこなすアクションシーンも原作には数多く描かれている。こういったシーンもアニメになることでより見応えのあるものになるだろう。

 また、『ゼロの日常』では12月4日から放送される『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』とのリンクにも注目したい。『警察学校編』は警察学校時代の安室透(降谷零)とその友人のストーリーが展開される。『ゼロの日常』でも、警察学校の友人たちのことを思い返す安室の姿が描かれており、このあたりが『警察学校編』と合わせてどのように描かれるのかにも期待がかかるところだ。

 今回の『犯人の犯沢さん』『ゼロの日常』は、『名探偵コナン』本編や『警察学校編』とセットで視聴することで、『名探偵コナン』シリーズの世界がより立体的な広がりを見せる作品となるだろう。『犯人の犯沢さん』、そして『ゼロの日常』の放送日時などの詳細は追って公開される予定となっている。期待して続報を待ちたい。

■作品情報
『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』
コミックス1巻~5巻発売中
原作:かんばまゆこ、青山剛昌『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』(小学館『少年サンデーS』連載中)
(c)かんばまゆこ・青山剛昌/小学館・「名探偵コナン 犯人の犯沢さん」製作委員会
公式サイト:hanzawasan-file.com  
公式Twitter:@hanzawasan_file

『名探偵コナン ゼロの日常(ティータイム)』
コミックス1巻~4巻発売中
原作:新井隆広、青山剛昌『名探偵コナン ゼロの日常』(小学館『週刊少年サンデー』連載中)
(c)新井隆広・青山剛昌/小学館・「名探偵コナン ゼロの日常」製作委員会
公式サイト:zerotea-file.com   
公式Twitter:@zerotea_file

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