『ルパン三世』は“なんでもあり” 辻真先、押井守も脚本を担当した第4話までを振り返る

『ルパン三世』は“なんでもあり”

 現在、テレビアニメ『ルパン三世 PART6』が日本テレビ系で放送中だ。ここ数年はイタリアを舞台にしたテレビシリーズ『PART4』(2015年)、フランスが舞台の『PART5』(2018年)と、海外の特定の国でルパン一味が活躍する新作が続いていたが、放送中の『PART6』はイギリスのロンドンで“ミステリー”をキーワードにした作品となっている。

 近年の『ルパン三世』テレビシリーズでは、連続性のあるメインストーリーを縦軸として、その合間に1話完結のオムニバスエピソードを入れていくスタイルなのが特徴。例えば『PART4』ではイギリスの秘密情報部MI6に所属するニクスや、レオナルド・ダ・ヴィンチの頭脳を持つクローンとの対決、『PART5』では天才ハッカー少女アミに関連する人間模様と、古くからルパンとの因縁があるフランス司法警察のアルベールが織りなすドラマが主軸となっていた。

 『PART6』では目下、名探偵シャーロック・ホームズとルパンの戦いがメインストーリーになっている。ホームズはイギリスの小説家コナン・ドイルが創造した架空の探偵だが、これまで国内外の多くのテレビドラマ、実写映画、アニメーション、漫画にも登場しているので、推理小説に興味がない人でも存在ぐらいは知っているキャラクターだろう。ロンドンのベイカー街にある下宿に住み、様々な難事件を解決してきた頭脳明晰な探偵である。そんな世界的にポピュラーな人物がルパンのライバルとなっている設定が実に視聴者の興味をそそる。

 『PART6』におけるシャーロック・ホームズは、浮気調査や迷子のペット捜しといった、本来の彼なら引き受けないであろう地味な依頼をこなして日銭を稼いでいる。だがそれは、彼が可愛がっているリリーという14歳の少女を危険に巻き込まないための生き方なのだ。下宿の女主人ハドソン夫人、ホームズの協力者レストレード警部など、コナン・ドイルの小説と同じ人物も本作に登場しているが、ホームズの相棒ジョン・H・ワトソンは作中では既に故人となっている。10年前にワトソンの身の上に起きたとある事件と、それを境に記憶の一部を失ったリリー。ホームズがルパンに対して怒りを燃やしていることからも、10年前の事件にルパンが関与していることは間違いないが、その真相が明かされるのはまだ先になりそうだ。

 本作のテーマが“ミステリー”なのは前述の通りだが、脚本陣にはシリーズ構成の大倉崇裕をはじめ、樋口明雄、芦辺拓、湊かなえといった推理作家が参加しているのも話題を呼んでいる。それぞれの担当回で、『ルパン三世』をどんな切り口で見せてくれるのか興味は尽きない。その一方で年季の入ったアニメファンには馴染み深い辻真先、押井守といった熟練の面々も脚本陣に加わっている。メインストーリーであるルパンVS.ホームズの対決の行方は物語の進行を見守るとして、ここまでの放送でお披露目された単独エピソードに目を移してみよう。



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